西方見聞録...マルコ

 

 

ベトナム〜ホーチミン・戦争証跡博物館 石川文洋 - 2024年12月20日(金)

12月18日から22日までベトナムのホーチミンで研究大会があって行って来た。ホーチミンは暖かくて冬の日本からいくと初夏のような陽気で大変過ごしやすかった。ホーチミンでは1年で1番気温が下がる時期だという。研究大会は最後の1日であとは比較的自由にしていた。そんで友達に勧められて戦争証跡博物館というところにトコトコ歩いて行って来た。




ハノイの広々とした戦争博物館とは随分雰囲気が違ってぎゅっと展示物が詰まってる感じ。
展示室は歴史的事実、メモリアル、戦争犯罪、枯葉剤後の後遺症の部屋といくつかの展示室に分かれていて基本英語とベトナム語のキャプションの英語の方を拾って読んでいっても、ガッツリ読むとその内容の悲惨さや写真のインパクトにかなり胃に来る。でも読まなければ、知らなければならないことが多い。10年間枯葉剤撒き続けてジャングルを丸裸にしようってそれ誰もヤバいって言わなかったのか、と2024年の未来から未来の人権感覚と常識で素朴に思うなど。どのキャプションも事実を淡々と伝えている。
メモリアルの部屋はロバート・キャパや沢田教一など戦地で亡くなったカメラマンの作品が並ぶ。その中で現在も存命の石川文洋の写真群と日本語キャプションが目を引いた。




石川文洋の写真のキャプションは明らかにそれまでのキャプションとトーンが変わる。石川文洋はベトナムの悲劇を故郷沖縄の悲劇と重ね、農民や子どもたち、母親、同僚の痛みに寄り添いながら言葉を紡ぐ。戦場を報道するのは戦地を密室にしないためにも重要だし、どういう視点で出来事を見つめるかも大事だなと思った。石川文洋の書いたものを少し読んでみようと思った。
 
ベトナム戦争が終わって来年で50年。ベトナムの経済発展の陰で遠くなっていく歴史ではあるが多くのベトナムの人が国を出る契機となり今もその影響を大きく受けた人々が日本や世界で暮らしている。



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