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2006年03月09日(木) 突発も突発過ぎるSS。

アッシュはふと立ち止まった。

「どうした、アッシュ?」
ガイが立ち止まる。それにつられジェイドやアニス、ナタリアも足を止めた。
たくさんの人。
行き交うその流れは絶えることなく、忙しない。
「ルークの奴、どこに行った?」
「ルーク?」
みなが辺りをぐるりと見回した。あの鮮やかな赤い髪が一つたりない。
人ごみの中に視線を移しても、あの赤は見つからなかった。
「おやおや、迷子ですか?」
いい歳してまだまだ子供ですねぇ、とジェイドは呆れたように言う。
アニスも大人ぶって溜め息なんかをついた。
ルークとはぐれてしまった。
しかもたった一人で。どこに行ってしまったのか。
アッシュは舌打ちをした。
「あの屑がっ・・・!」
そして苛立ちとともに、すぐさま走り出した。
人ごみを掻き分け、ルークを探しに。
「ちょっ・・・アッシュ!」
ナタリアは止めようとしたが、すでに遅かった。アッシュは行き交う人の流れの中に消えていった。
人ごみの中、右を、左を、時々自分が来たほうを振り返る。
赤い髪。
見落とすはずがない。
そんな確信があった。けれど、同時に不安もあった。
言い知れぬ不安。
ただ側にいないだけなのに、もう会えないような不安に襲われ、締め付けられる。
そんなものは迷信だと言い聞かせる。
ありえないと、言い聞かせる。
それを証明するためにもアッシュは必死になって鮮やかな赤を、ルークを探した。
どこまで走ってきただろう、人ごみの向こうに光を見たような気がした。
明るい光。炎のような赤。

いた。

アッシュは全力で人ごみを抜け、ルークの腕をしっかりと掴んだ。
「ルーク!!」
腕を引っ張られ、名前を呼ばれ。ルークが振り返った。
驚いた表情をしたが、すぐにほっと安心した顔を見せる。
「アッシュ!良かった・・・。」
ルークの顔を見てアッシュもようやく安心できた。
その手に掴んだ腕の感触が、彼の声が、顔がすぐ近くにある。
気付けば汗だくになるほどアッシュは街を駆けていた。息は荒れ、肩で息をしている。
アッシュは呼吸を整えるとじろっとルークを睨んだ。
「なに迷子にやってやがる、こののろまが!後をつついて来るくらいできねぇのか!!」
「ご、ごめん・・・。」
アッシュの怒鳴り声にルークはしゅんとした。謝る彼はうつむき、本当に申し訳なさそうにする。
そのように落ち込まれては、アッシュもそれ以上責める気にはなれなかった。
「・・・ったく、人がどれだけ心配したと思ってやがる。」
「うん。悪かった。」
そしてルークの頭を片手で抱き寄せた。ルークの額がアッシュの肩にぶつかる。
ルークはアッシュの背中に腕を回し、ぎゅっと彼の服を掴んだ。
その手の感触に、アッシュはようやく生きた心地を取り戻した。

「いいねぇ、いいねぇ。若い二人は熱々ですよ〜、大佐。」
「人が心配して追いかけたというのに、見せ付けられましたねぇ、アニス?私たちはお邪魔のようですよ。」
突然聞こえてきた聞きなれた声に二人は飛び上がらんばかりに驚いた。
そして慌ててお互いを掴んでいた手を放す。
「ア、アニスにジェイド!?」
「お前ら、いつからそこに・・・!?」
「いつからってそうですねぇ・・・。」
「“・・・ったく、人がどれだけ心配したと思ってやがる。”くらいからかなぁ。」
驚く二人にアニスはアッシュの声まね付きで説明した。
それが余計に二人を恥ずかしくさせる。
慌てふためく二人を横目にジェイドは落ち着き払った様子で眼鏡を押し上げた。
「さぁ、いつまでもいちゃついてないで行きますよ。みんな心配してますし。」
「い、いちゃついてなんか・・・!」
ルークは顔を真っ赤にして反論しようとしたが、ジェイドは目でそれを静止する。
顔は笑っているのに目が笑っていない。
「あれだけのラブシーンを見せ付けておいて、いちゃついてないというのならもう一度みんなの前で再現していただきますよ?」
「え、遠慮します・・・。」
彼は本気だと、流石のルークも察した。
恐ろしさのあまり、冷や汗が出てしまう。
ジェイドはアニスを連れてくるりと踵を返した。その後をルークとアッシュが慌てて追いかけだした。
「もうはぐれるんじゃねぇぞ。」
アッシュはルークに手をさし伸ばす。
「わ、分かってるって。」
ルークは照れたようにその手を取った。
もうはぐれないように、二人はメンバーの姿が見えるまで手を繋いで歩いていった。


終わっとく。





何がしたかったって、「もう君以外愛せない」を聞いてそーゆーのを書きたいなぁと思ってSSSを書き出したの。
突発だから、何でこのメンバーとアッシュが一緒に歩いてるんだ、とか疑問も残るところ。
でも、アッシュとルークが堂々といちゃついてるので多分、自分の中ではED後の設定なんだろうとは思うんですけどねえ。
というか、細かいことを何も考えてないから突発なんですけどね。
気にしない、気にしない〜。





色んなところでポーションの話を見かけますが、私にはシブエが気になって気になって仕方ないです(w。
この間ようやくCMを見たのですが、あれ、すごいですね。
3000以上ダメージをくらってるのに、回復してるのは100だけですから!教えてもらって大爆笑しました。





そんなこんなで、明日埼玉帰ってきます。
あ――――オンリー行きたい―――。
けどーーけどーー先立つものがぁぁぁ(泣。


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