みゆきの日記
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2003年11月18日(火) 過去の幻影

ちょっとした用事があって、すごく久しぶりに神戸に行った。
神戸は、好き。
素敵な街だと思う。

実はこの街には想い出がある。
今となってはあまりいい想い出ではないけれど、
芦屋に住んでいる人と、おつきあいしていたことがあって、
以前、よく来ていたのだ。

もうその彼のことは遠い想い出でしかないけれど、
神戸に来たら、やっぱり思いだしてしまった。
いろんなところを案内してもらって楽しかったんだけど、
私から一方的に別れを告げて終わった仲だった。
彼は結構いい年だったし、両親にも紹介されていたほどだったので、
別れを告げた時にはかなり抵抗されて、
ふりきるようにして、別れた。

彼は末っ子だったので、彼のご両親は結婚をとっても楽しみにしていて、
お父さんが入院中に私がお花を持ってお見舞いに行くと、
すごく喜んでくれたし、
お母さんはよく自分で焼いたお菓子を送ってくれたので、
私もお花を送ったりして、手紙のやり取りもしていたので、
彼らになんの挨拶もせずに姿を消すことには少し心が痛んだけれど、

「このたび彼と別れることになりました。
 今までお世話になりました。」

と、挨拶するのもなんだか変だし、
気にかかってはいたけどどうしようもなくて。

最後に彼が言った、

「親にまだ言ってないんだ。
 なんて言ったらいいかわからなくてさ。」

という言葉には、さすがに申し訳ない気持ちになって、
なんとなくちくっと痛い想い出になっている。

そんなことを思い出しながら電車の外を流れる風景に目をやっていたら、
いつの間にか初老の紳士が目の前にすわっている。
芦屋から乗ってきたらしい、と気づいて私の胸は急に高鳴った。
彼のお父さんには、一度しか会ったことがない。
入院中で、パジャマ姿だったので、もしかしたらイメージが違うかもしれないけれど、






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まさか、まさか。
私の胸はドキドキしっぱなしだった。
こんなところで、昔の恋人のお父さんになんて会ったら、
どうしたらいいんだろう。

結局その紳士はしばらくたって降りていき、
彼のお父さんだったかどうかはわからずじまいだったけれど、
向こうでも私を見ていた様子はないから、
他人の空似だったのだろう。

彼は、私の記憶が正しければ、30代後半になっているはず。
もう結婚したのだろうか、と初めて思った。
余計なお世話ね。


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