みゆきの日記
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柴田さんからメールがきた。
先日私が送ったメールの返信なんだけれど。
送ってから数日が経過していて、もう返信はないのかなぁと思っていたから、
嬉しい。
「インドネシアに行っていて、返事が遅くなりました。」
という文面を見て、私は、スーツを着て颯爽と空港を歩く柴田さんの姿を想像する。 昔、何度か目にしたことのある姿。 柴田さんの姿を、物陰からでもいいから見たい、と思ったりする。 会えなくてもいいから、柴田さんが見たいなぁ。
柴田さんが、ずっと昔から応援している野球チームがまた優勝したらしい。 そのチームは、ずっと、ずっと弱くて、賭けに負け続けていた柴田さんを思い出す。 私の夫も、そのチームを応援しているけれど、柴田さんのようではない。 私がヤフーでそのニュースを見つけて、優勝したんだってね、と言ったら、 あっそう?と言っていた。 柴田さんならきっとその試合を見ていたはずだ。
柴田さんは、毎日日経新聞を読んでいるはずだ。
柴田さんの世界に近づきたい、と思う。
でも、結婚していて夫も子供もいる私が、そんな風に思うことが、 ただそれだけでも醜悪だと自分でわかっているし、私自身もそう感じる。
柴田さんの姿を物陰からでもいいから見たい、と柴田さんに伝えたくなったけど、 それも伝えられない。 夫のパンを食べている私には、とても言えることではない。
時々、とても自由になりたいと思う。
コンビニで、一人分の夕食とワインを買っているおじさんを羨ましく思ってしまったりすることもある。
自由だった頃は、孤独だった。 そのことは、よくわかっているはずなのに。
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