ちまたでは狂牛なる病が流行っておるそうで、牛の死肉の価格が大暴落です。これはチャンスと思い、母に「肉買って来い。牛の肉だ」と命ずるのですが、母は震え上がって「牛の肉なんてあぁ、恐ろしい。くわばらくわばら」とばかりに、なかなか肉を買ってこようとはしません。今が買いどきなのに。こんなチャンスはまたとないのに。肉食いてぇ。国産の上等の肉を。おれは今日も明日も明後日も肉でいいのだ。焼肉でいいのだ。国産の上等な肉でいいのだ。