へろへろ雑記
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2003年02月10日(月) |
歴史物語としての『指輪物語』 |
いつまでたってもThe Return of the Kingの感想を書かないので、あのヘタレめ途中で投げ出したか?と思われた方が殆どだと思いますが、無事(追補編まで)読了して今ニ巡目読んでます。ニ巡目は、筋を追うので精一杯だった一巡目に比べると、あちらこちらに散りばめられたさりげない表現にあらためて「そうだったのか」と思うことばかりです。The Return of the Kingの灰色港のシーンからThe Fellowship of the Ringのシャイアの平凡で穏やかな風景に戻ると、たった二年の間に起きた出来事の重さに沈黙するばかりです。
以前の日記で作者と作中人物との距離感ということを書きましたが、ファンタジーの形態を取っているもののトールキンの一連の作品は中つ国という架空の――しかしトロイの木馬の伝承のように真実に近い――国の歴史だったのだなぁと思いました。『指輪物語』の舞台は太陽の第三紀の終わり、そして指輪所持者たちが西の海の向こうヘ渡ったところで終わりを告げます。エルフやドワーフ、ホビットや魔法使いの時代は終わり、第四紀は人間の時代です。そして私たちの生きている現代は太陽の第五紀だか第六紀だかに当たるんだそうです。
第四紀も最後の方になれば、指輪戦争は遠い昔の災いの記憶でしかなく、ゴンドールもローハンもすでに無くなっているかもしれないのです。ちょうど第三紀に生きた人々にとって第二紀のサウロンの災いが過去のものでしかなかったように。しかしどの時代にも確かに人々は生きていたのです。
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アマゾンUKで未訳のUnfinished TalesとThe History of Middle Earthから『指輪物語』に関係ある3冊を注文しました。まだThe Silmarillionも読んでないので上古の時代に関連するとこは後回し。本音はお金がないんですが^^;
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