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スウェーデンで発掘された土器のかけら。 ある女性が、そのかけらから時間を超えた メッセージを読み取った。 そして紡いだ物語がある。
紀元前2500年、今から4500年昔、 その地で実際に起こったかもしれない物語。 起こらなかったかもしれないが、 起こりえなかった物語ではない。 家族と離れた12歳の少年ローが経験する、 絶望と孤独、そしてサバイバル。
ローは、羊を飼う一族の長の妻が 何度も流産を繰り返したのち、 どこかから連れて来た「異質な」子どもだった。 やがて、いやおうなく一族との別れの日が来る。 物語の最後に、土器のかけらは 大きな意味をもってよみがえる。 波に乗った漂流物が浜辺へ流れ着くかのように、 未来へと運ばれる少年ローの運命。
人は自分のいるべき場所を、 ことばにはできなくても知っているのだ。 信じたくなくても、今いる場所が ほんとうにその場所なのかどうか、 深いところでは知っているのだ。
誰にとっても、 なつかしい浜辺で目印になっている 歌う木があるのかもしれない。 その声を、眠りのなかで 誰しも聴いているのかもしれない。(マーズ)
『歌う木にさそわれて』 著者:マルガレータ・リンドベリイ / 訳:石井登志子 / 出版社:徳間書店
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管理者:お天気猫や
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