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漢字の秀吉は、太閤殿下。 カタカナのヒデヨシは、あの「言うこときかん猫」。 ヨネザアドという世界の、アタゴオルという 森に住んでいる。
ますむら・ひろしの漫画を読んでいると、 そういうことが通じる日本人に生まれて よかったなぁと、思う。
一度は、ヒデヨシもどこへ行ってしまうんだろう、 もうこの世界は終わってしまうのだろうか、と 思ったこともあったけれど、いま、こうして、 確かな「かの世界」を確認しつつ、読める喜びは深い。
ここに収録されているのは、1999年の末から、 コミック・フラッパーに連載されているアタゴオルのお話。
ヒデヨシの衣装が、これまでの連載よりも、 ぐっと強烈にデザインされるようになって、 食欲もさらに旺盛になったようである。
巻末にはそれぞれ、「アタゴオル余波」という文章が載っている。 著者の書いた文章をはじめて読んだこともあって、 いろいろとうなずいたり、そうなのか、と納得したりした。 本来、漫画を読めばそれで良いことではあるけれど、 ときには、こういう裏話的作品解説もあるといいなと。
ますむら・ひろしが、このネット時代を 意外にも(失礼)、活用していることや、これまた意外にも、 ファンとの交流を大事にしていることも伝わってきた。 いままで、少なくても、アタゴオルだけは読んできた私が、 知らなかったプライベートなことも含めて、 思い込みというのは、場合によっては実像とかけ離れることが あるのだなと反省したりしている。
そういえば、作中のセリフにあった略語で、 テン・パン組=テンプラとパンツ組 テマ・テン組=テマリ&テンプラ組 というのがまた、不意を突いておかしかった。
最近、宮澤賢治の関係で、受賞もされたそうだが、 この世界がまっとうされてゆくことを心から願っている。
※ますむら・ひろしのサイト「ごろなお通信」には、 日記や掲示板などもあり、送り手と受け手の、まさに通信と なって活用されている。 http://homepage1.nifty.com/goronao/
(マーズ)
『アタゴオルは猫の森』1-4(02年末現在) 著者:ますむら・ひろし / 出版社:メディアファクトリー・MFコミックス
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管理者:お天気猫や
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