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空を飛ぶ猫たちのお話、第二幕。
第一作のところで書いてしまったけれど、
なんとなく、ゲドの「帰還」を連想させるタイトル
でもあるのだった。
田舎に新しい家をみつけた空飛び猫たち、
セルマ、ロジャー、ハリエット、ジェームズ。
落ち着いてみると、後にしてきた都会とジェーン・タビーお母さんが
なつかしくて、ハリエットとジェームズは、ふたりだけで、
生まれた場所への旅を敢行する。
私はついつい、連想のつばさをはためかせてしまう。
ゲドが、魔法の力を失い、故郷のゴント島へ、
そして自分の人生に立ち戻っていった姿を思って。
さて、久しぶりに見る都会で出会ったのは、
言葉を話さない黒い仔猫だった。
この不思議な子に出会ったふたりは、親がいないらしい
黒い仔猫の面倒をみながら、ジェーンお母さんを探す。
ハリエットやジェームズだけでなく、読者も、
子どもたちを早々と自立させて、順調に
自分の人生を歩んでいるはずのジェーン・タビーお母さんが
今どうしているのか、元気でいることを知りたくて
取り壊しの始まったスラム街でぼうぜんとしてしまう。
「ミイイ!」
「嫌いだ!」
としか言葉を発さない黒のチビ。
ハリエットやジェームズは、本当は急いでいるのだが、
猫らしく、ゆったりと時間をかけて、
チビの傷ついた心を落ち着かせてゆく。
無事にお母さんと再会した三匹には、その後、
またしても大いなる旅が待っていたのだった。
最後には、この仔猫にも名前が与えられる。
「まことの名前」が。
(マーズ)
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管理者:お天気猫や
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