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パリに住む、子どもたちの部屋を集めた写真集。 ぱらぱらとめくっているだけで、 なんだか幸せな気分になってくる。 あたたかで、子どもたちの(あるいは、子どもたちへの) 夢がぎっしり詰まっている部屋は、 見ているだけでも、心地いいのだ。
この写真集に登場する、パリに住む子どもたちは、 まるで、「小さなおとな」だ。 ほんの5歳の女の子にすら、自分の部屋へのこだわり、 自己主張がある。
高価ではないけれど、隅々まで、工夫が凝らされ、 子供部屋とはいっても、趣味が良くて、しかも、シンプル。 シンプルというのは、決して手抜きをしないことだと、 パリの子どもたちの部屋から、教えられる。 ずっと世代を越えて使い続けられている古い家具の温もりや、 のみの市をずっと回って見つけだした、 掘り出し物のアンティークなどが、大切な生活の一部をなしている。 あるいは、デザイナーである母親のアートがさりげなく飾られ ていたり、子供たちが描いた絵が壁に自由に貼られている。 どれもが丁寧に選ばれ、精神的な価値のあるものばかりなのだ。
そんな「小さなおとな」たる子どもたちの部屋からは、 幼いころからの自立の芽を感じる。 おとなの方も、子どもだからといって、 「子ども扱い」「子どもだまし」をするのではなく、 少なくとも、部屋作りに関しては、 子どもを対等な存在と見ているようだ。
写真からは、すぐれたインテリアのアイデアだけでなく、 子どものセンスや、子どもたちのこれからの可能性に対する敬意さえ、 伝わってくるようで、癒されながらも、 ふと、「日本の家族」とか「日本の子どもたち」とかに 思いを巡らしたりもしている。
と、理屈っぽいことを言いつつも、 ひたすら可愛いプリンセスのようなお部屋あり、 小さな芸術家のためのアートな部屋あり、 インテリアの大技・小技満載で、楽しい一冊。 日本家屋の鶯色の砂壁の純和風の部屋に、 どうしても、天蓋が欲しくなってしまいました…。
他にも、『パリの〜』シリーズには、
『パリのバスルーム』
『パリのテラス』
『パリのアトリエ』
『パリのキッチン』
『Paris W.C.』
などが、あります。(シィアル)
『パリの子供部屋』 著者:ジュウ・ドゥ・ポゥム / 出版社:アシェット婦人画報社2002
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管理者:お天気猫や
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