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バーバラ・カートランドのヒストリカル・ロマンス。
ロンドンで住み込みの家庭教師をしている貧しいドルーシラは、 実のいとこである幼なじみの侯爵、ヴァルドと再会し、 突然結婚することになってしまう。 というのも、プレイボーイのヴァルドが、 ドルーシラの勤め先である公爵の奥方とのいざこざで 他に窮地を脱する方法がなかったからだ。
ドルーシラは両親を亡くして無一文になった貴族の娘、 ヴァルドは若い青年貴族。それにしても、二人とも若い。 苦労をしすぎているドルーシラのほうも、いつものヒロインとは 少し違っているが、ヴァルドの幼さはどうだろう、と ずっと違和感を感じながら読んでいたが、 ほとんど終わりに近づいて、やっと納得。
シンデレラ以上の境遇の差を経験するドルーシラだが、 そのことで有頂天になるほど愚かでもないし、 最初からヴァルドに期待するほど盲目でもない。
おたがいに相手への思いに気づかぬまま、王子主宰の結婚式(!)を あげた二人は、誤解を重ねつつ、ヴァルドの領地である「リンチェ」へ やってくる。ここは、かつて二人が幼い日を過ごした思い出の 地でもあった。 ヴァルドにもドルーシラにも、これまでの生活で「敵」がいて、 二人はお互いを知り合うことと同時に、その敵とも戦わねばならない。
とりわけ、カートランドのヒロインらしく、 ドルーシラの戦い方は映像的にも美しい。 だからよけいに、ヴァルドはどうしたのだ、と思わされていたのだが、 それはたぶん、リンダ・ハワードの主人公を連想している私が悪い(笑)
公爵とか侯爵とか王族という社交界の舞台は、 他のカートランド作品に比しても、華やかさを極めている。 そして、そのことで明暗の対比がきわだつ作品でもある。 (マーズ)
『初恋の騎士』著者:バーバラ・カートランド / 訳:麻野真由美 / 出版社:サンリオ1989
2004年03月25日(木) ロザムンド・ピルチャー(1)
2003年03月25日(火) 「木馬のぼうけん旅行」
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管理者:お天気猫や
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