ヒトリゴト partIII
 Moritty



神様

2003年02月04日(火)

照明については、意外とうるさいほうだと思う。蛍光灯のような明るさは好きではなくて、どちらかというと白熱灯のフロアランプやスポットライトなどを部屋の隅に何個かおいた程度の明るさが好き。だから、実際天井の電気が点かなくても、それほど苦にはならないし、むしろボンヤリするときはそのほうが良かったりする。だから、というわけではないけれど、まだ切れた電球を取り替えていない。

今日は誕生日だったのだけど、ちょっとしぼんでた。オメデトウって言ってもらえるとやっぱりうれしいし、今日の日まで健康で生きてこられたことを考えればめでたいことなのだと思う。でも、何となく落ち着かないような居心地の悪さがあって、急に自分に自信がなくなってしまった。最近ずっと考えていることが頭を離れない。私はなぜここにいるのか?

何年か前の12月、ネパールで3週間を過ごしたことがある。予定は何も立てず、それこそ行き当たりばったりの旅で、縁あってそのうちの一週間、寝袋を担いでアンナプルナをトレッキングすることになった。そのあいだ、それまで出会ったことのないような、想像を超えた美しい情景に幾度となく出会った。今日、薄暗い部屋でボンヤリしていたら、その情景が昨日のことのようにはっきりとよみがえってきた。眼前に雪をたたえて聳えるヒマール。それは、神々しいという言葉が軽く聞こえてしまう程美しく、その情景を見た瞬間、経験したことのない感情がわあぁっと湧き上がって涙があふれた。空気が薄いせいだけだったのかもしれないけれど、とにかく不思議な感覚だった。その時の情景は今までも度々浮かんできたのだけど、今日は一段とはっきりと浮かんだ。つい最近読んだ「ダイヤモンドダスト」のマイクの真似ッコみたいだけど、その情景を思い浮かべるととても心が落ち着く。キリストとかアラーとか仏陀じゃない、もっと大きな力(それが神と呼ばれるならそうなのかもしれないけれど)が、確かに存在する。それを確信したあの瞬間を、今日久しぶりに思い出した。

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