ヒトリゴト partIII
 Moritty



やまない雨はない

2003年07月09日(水)

梅雨だから仕方ないのだけれど、毎日雨がしとしと降っている。とてもユウウツな気分になる。こんな雨がずうっと続くような気分になることもあるが、あと10日もすれば梅雨も明けるだろう。こうして季節は常に移ろっていくのだ。

「やまない雨はない」の作者の倉嶋厚さんは、現在フリーの気象キャスターで、時たまテレビの天気予報で見かけることがある。タイトルから想像がつくように、この本は倉嶋さんの苦難を乗り越えた経験を綴った手記だ。奥様が、末期ガンとわかり、入院後たったの24日で逝ってしまい、その喪失感から自殺を考える程のうつ病に罹り精神病院に入院した。しかし、やまない雨はないように、倉嶋さんも時間とともに立ち直っていった。このような内容のエッセイはよくあるが、何かしら押し付けがましさのようなものを感じてしまうことが多い。でも、この手記にはそういった不快感はない。倉嶋さんの文章には、静かな迫力があり、その一つ一つの言葉は倉嶋さんの人柄を表すように真摯で気品がある。だから、心に染みるのかもしれない。

全く倉嶋さんの苦難のレベルとは違うけれど、今、八方塞のような状況がずっと続いていて苦しい。でも、きっとそれもいつかは終わると思えてくる。どんなどしゃぶりな雨でも、やまない雨はない(はず)。

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