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■■ 夜更けの訪問者
2003年11月05日(水)
母が病気になって、実家で眠ることが多くなった。夜、眠っていると、ピシッ、ピシィと渇いた音がする。寝静まった夜更けの音は妙に耳に響いて、眠れない。何か硬いものを叩くような音なのだけど、ノックのような規則的な音ではない。そういえば、去年の今頃もちょうど母が入院していて、一人で眠っていた時にやはり奇妙な音に驚いて、眠れなくなったことを思い出した。そうか、もう秋も終わりなんだ。
昨年、薄気味悪い音で眠れなかった翌朝、頭痛に苦しみながら庭を歩いていると、あちこちにどんぐりが落ちているのに気付いた。私を寝不足にしたあの音は、どんぐりが屋根瓦に落ちた時の音だったのだ。耳をすませてみれば、昼間でもどんぐりの落ちる音は聞こえてくる。音の正体がわかってほっとする反面、含まらせていた想像力がしぼんでしまい、少し淋しい気もした。
そんなことを、ピシィと鳴る音を聞きながらふと思い出した。季節が廻るのは、なんて早いんだろう。
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