ボクたち地球人
今日も今日とて昼はなんでも売ってるお店屋さん。 今日は原稿が切羽詰まってきて微妙にイライラしていたのだけれども、思いがけずバイトのI君にガリガリ君などおごってもらって機嫌直る。(そんなコトで)
夜は行ったら人手不足でえらいことになっていて、大変だった。 昼勤のおばさんがたにとって、夕方勤務のわたし達は「ヒトが時間に追われながら (出荷時間というのがある)働いてんのに、まわりでうろちょろしているのんきな輩」としか映っていないのだけれど(たぶん)、今日はひっぱりだこ。 本当にヒト、いなかったんだ…。(ホロリ)
でも、この話…夕方勤務も例外じゃない。
最近1人就職が決まって辞め、1人上司とケンカしてやめ、1人病気でダウン。(もう 1週間も来ていない…大丈夫なのかなぁ…) いつもなら6人でゆるやかにやっている作業を3人でやる。 昼の方のお手伝いをしていたのでその分仕事がずれ込んで…今日、一体どうなっちゃうんだろう(心中:残業はイヤだ…)と思っていたトコロ。 「一緒にソース付けさせてやって」 と、係長がお手伝いに最近入った中国人のヒト(昼間勤務)を連れてきた。 この方、おじさんで名前はチンさん。
この工場では靴を脱ぐ場所に英語・中国語・日本語で「ここで靴を脱いで下さい」という紙が貼ってある程、外国の方の入社率が高い。 夕方勤務にはいないが、ウチの課にも昼勤のおばさまで日系ブラジル人なひとと韓国系な方がいらっしゃる。 どちらも日本語が堪能なので別段困った事はないのだけれど── このチンさんは来日して日が浅いらしく、日本語が話せなかった。
とりあえずここは身体言葉(ボディランゲージ)。 「これを(指差し)、ここへやって(指移動)、あっちへ持ってく!(指差し連続)」 チンさん同じ動作をくりかえす。 コクコクコクコク(うなづき)。 こくこくこくこく(うなづき)。 ウーン、感性ってスバラシイ(笑)。
その後、作業をひととおり教え終わってから1時間程ずっと2人で黙々と仕事。 すると急にチンさんの方から声をかけてきた。 「…なまうぃ、は…?」 なまはげ…?(謎) 「(おいら指差し)なまうぃ」 「…ああ、名前!」 なんだ、それくらいはわかるのかぁ。どこまで話せるのか知らなかったからずっと 黙ってたのに。 「もといです。もとい」 「うもぉとうぃ」 (微妙に違うけど)コクコクコク。 「いくつ…?」 おお。これも話せるのか。 「2×です。にじゅうぅぅ(指二本)…わかります?」 こくこくこく(微笑)。 「チンさん(指差し)は?」 「3じゅうに」 おお、数字はバッチリなようだ。(妙なトコロで感心) 数字関係なら大丈夫かもしれない。 「(いつもはもう帰ってる時間みたいだけど今日は)何時で終わりですか?」 「?」 「え(汗)。終わるの、何時ですか」 「?」 「終わり……わかんないです?」 チンさん悩み顔。 おいら、なんとかわかってもらおうと、 「終わり」、「最後」、「やめる」、「帰る」、はたまた「お疲れ様でした〜」まで試してみるも、チンさん全く反応せず。 「うーん、なんて言ったらいいんだぁ〜…微妙に難しい〜…」 思わず”ボルシチと言ったら右旋回、ピロシキと言ったら左旋回!!”と言いたく なったけれど、ここは大人のもといさんこらえて別の案を考える。 そうだ。チンさんは中国の方なのだから漢字ならわかるのでは? ソースの海の上に(ちょっと悲しいなぁ)”終”と書いてみる。 コレにはチンさん驚いた様子。こくこくと頷き返す。やったぁ、成功♪ が、しかし、チンさんは漢字で返してきた。しかも日本会話では使わないような「焉」とかなんとか使って(涙)。しかも主語動詞目的語連続書き(つまり文をおもいっきし書いてくれた)。 わかんねぇぇぇ!!(頭抱え) これはいわゆる、英語で話かけてきた英語圏の方に「I can't speak English」と話してかえって「コイツ話せるじゃねぇか」と次の質問を求められてしまうケースではないだろうか。 かえってチンさんをぬか喜びさせてしまった(大汗)。 でもおいらがあんまり首をひねるのでわからないことはわかってもらえたようだ。(ごみんなさい) 「何時…終わる?(おいら指差し)」 「え、わたし…?わたし…9時。きゅう(指9本)。わかる?」 と答えたトコロでハッとなる。 もしやチンさん”終”=”終わる”がわかった!? 「そうそう!(コクコクコク)チンさんは終わるの何時?」 「…9時…」 これだよ…これが聞きたかったのだよ…!(涙)ううん、話が通じるのってなんてスバラシイ。
すると係長がやってきて、チンさんには8時半で上がってもらうから、と言いに来た。 わたしは入れ替わりで別の場所で作業になりその場を去ったのだけれど、見ると係長はチンさんに「半」というのを理解させるのに四苦八苦していた。(笑)
30分って言えばいいんだよ…♪(ニコ)
8時半にチンさんはおいらのいる作業部屋を通りかかり、笑顔でおじぎをしながら帰っていった。
実はこの前にチンさんが朝8時から出勤していたというコトを聞き出していた。 チンさんは12時間働いていたことになる。頑張るなぁ。 遠い異国でひとり(?)で働いて生活してさぞわからないことや不安や孤独感でいっぱい だろうに。 おいらでよければ、また話しかけてやってください。
ただし、筆談はナシでお願いしヤス(苦笑)。
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