東京の片隅から
目次|きのう|あした
金木犀の香りが街のどこかからただよってくる。 ライヴ帰りのタバコ臭い自分をちょっと恥じたりもする。 金木犀の香りが夜風にただよってくる時は雨が近い時だ。雨が近いと香りが強くなる。雨が降る前兆の塩素っぽい匂いもする。
金木犀の香りは文化祭の準備を思い出させる。私の通った学校は2期制だったので、夏休みが終わるとじきに前期期末テスト、それが終わると1週間の秋休みを経て、後期のアタマに文化祭。クラブを幾つも掛け持ちしていたので(するなよ)、今の時期は校内を走り回っていた。校内には何ケ所か金木犀の木があって、文化祭まで持ったらさぞ楽しかろうと思うのだが、持った試しはない。生物部の先輩が金木犀の香りをアルコールに移して香水を作れないか四苦八苦していたっけ。 ペンキだらけになりながらアーチを作ったり、展示用の模造紙を沢山書いたり、配付するフリーペーパーの印刷で手を真っ黒にしたり、文化祭は準備段階が一番楽しかった。もともとそういうのが好きなんだろうなぁ。
金木犀の香りを「トイレの匂い」という子供がいると聞いたのはもう随分昔のこと。そもそも芳香剤を使う習慣のない我が家では逆にその発想の方が不思議だ。昔の家なのでトイレに窓がある。入っていない時は窓を開けたままなので、匂いが気にならないのもあると思う。 季節は五感で感じるもの、むざむざ塞ぐのは勿体無いと思う。
|