東京の片隅から
目次きのうあした


2002年03月04日(月) 誕生日だった

一つ年をとった。別に二つでもいいのだが。
今日は私の誕生日でもあり、母方の祖父の命日でもある。

母方の祖父は、私が物心ついたときにはすでに病人で、だから、基本的にはベッドの上の祖父しか知らない。それでもまだ寝たり起きたりの頃には、後楽園や東京タワーや栗拾いや梨狩りに行ったような気もする。しかし果たしてどの場に祖父が居たのかの記憶はおぼろげだ。
父方の祖父が死んだとき、すでに入院中だった祖父(母)は葬式には出席しなかった。ところが、何日かたってからいきなり玄関先に現れた。私はガレージにいたのだが、ふと目を上げると祖父(母)。足下はスリッパ。病院を抜け出してタクシーで来てしまったらしい。
お線香を上げて、麦茶を飲んで(暑い日だった)、きちんと挨拶して、迎えに来た車で帰っていった。
いまでもふとその姿を思い出す。明治の人であったので、義理堅かったのかもしれない。しかし本当のところ、何を思っていたのか、それは私にはわからない。もうちょっと話が出来ると良かったな、と思う。

余談で、「おじいちゃんが来たよ」と呼びに行った私に、母と祖母は死んだ祖父(父)が「来た」のかと思ったらしい(笑)。それでは怪談である。


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