東京の片隅から
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2010年09月22日(水) なんか複雑な心境

河瀬直美監督の最新作は『玄牝−げんぴん−』らしい。「自然なお産」についての作品になるとのこと。
映像作品としての出来と「自然なお産」の賛否は分けて考えたいのだが・・・。
「自然なお産」を賞賛するのはいいんだけど、じゃあ自分を含めて帝王切開などの「不自然なお産」にせざるを得なかった人たちはこういう報道の度に複雑な気持ちなわけで。
以前「エチカの鏡」でこの病院を取り上げていたときにも思ったけど、「じゃあ経膣分娩が出来なかった自分はオンナとして欠陥品なのか?」っていう気持ちが湧くのだな。いや私の場合ICUに入ったからそもそも人間として欠陥品なのかもしれないが。
次はそういう「不自然なお産」についての作品も撮ってもらいたいなぁと思うのは私のワガママか。

そもそも「自然なお産」だけしかない病院って、途中で逆子とわかったり胎児に異常がわかった場合って、どうなるんだろうか。強制転院で周辺地域の病院がそのリスクを押しつけられたりするんだろうか。そう思うと一概に「自然なお産」を神聖視できないよなぁと考えてしまうのは私の思考回路がゆがんでいるのだろうか。
「自然なお産」にこだわって結果的に子どもを亡くした場合、それはただの親の自己満足なのではないだろうか。昔みたいに「自然なお産」しかなかった場合は母子の死亡率が高かったわけだし、ロハスとかのブームと一緒で、ちょっとうさんくさい。



9/24補足。
河瀬監督の作品はデビュー作から(全部ではないものの)見ている。作品としての力は強く感じるし、日本人監督の中ではわりと好きなタイプでもある。
彼女は以前自分の出産についての映像作品も撮っている。
そこから感じるのは、もし彼女自身が「不自然なお産」を体験したならそれをも作品化したであろうという強さだ。
だからこそ、「陰」(あえて「陰」と書きます)も見てほしいと思ってしまうわけで。
テレビのバラエティ番組で取り上げるときにはスルーできても今回引っかかってしまったわけは、たぶん、私が彼女の映像力からこれまでいろいろ感じてきたから、彼女ならどう見るのか、ある意味期待してしまっていたのかもしれない。

実際にこの映画をみたらまた感想が変わるのかもしれないんだけど、彼女の作品は一般受けしないので上映期間が短いんだよね。こういう作品だとレイトショーでせいぜい2週間なのかな。見に行けなさそうなのが残念。

あ、「残念」と今書いたが、私自身実際に映画を見て今のこの自分の感想が変わることを期待しているのだなぁと思った。

自然分娩、母乳育児、それができればベストなわけだ。
普段は「帝王切開だから保険が利いてお得だったわ」とか「ミルク(混合)だからおばあちゃんに預けられてちょっと楽できるの」とか笑って言うけど、そこで笑い飛ばさないと自分が保たないんだなぁ。

実際現代医学のおかげで私も子どもも今何とか生きているわけで、医学的なお産を否定する気は毛頭ないんだけど、やっぱりどこかで、普通に産みたかったな、と引っかかっているのだな。


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