東京の片隅から
目次|きのう|あした
雨が降っていない限りは、毎日子どもを連れて散歩している。 東京の辺境だからか、このあたりは老人ホームが多い。天気のいい日にはみんなで散歩に来ている。 そんなだから、歩いていると声をかけられる。私は妙に話しかけられやすい。 「あら〜赤ちゃん、かわいいわねぇ」から始まり、「母乳?」か「ミルク?」と聞かれる。 最初のうちはきちんと回答していたのだが、相手が聞いてきたことに対して「そうなんです」と肯定すればいいのだと次第にわかってきた。 なぜなら、どう答えてもその次の会話は同じ内容だからだ。 「あぁやっぱりねぇ。だからこんなにまるまるしているのねぇ、子どもは罪がなくていいわねぇ」 彼女らは、自分の問いが肯定され、その次の会話がしたいのだなぁと思う。 手を伸ばして子どもに触れ、まだ人見知りをしない子どもは誰にでもにっこりする。
毎日繰り返される挨拶。でもそれもたぶん幸福なんだろうな。
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