18時の回に行ってきました。1階G列下手。
正直な話、今日の今日までこの公演の評価すべき所は「相葉さんがきちんとこなせている事」だと思っていました。 つまり「全部セリフを覚えて」「トチらないで」「一生懸命に」高島くんをこなしている相葉さんを かわいいかわいい孫を見守るような目で「よくできた」「頑張った」と評価するものなのだろうと。 自分自身も「頑張ってる相葉さん」を見て泣ける自信はあったし(笑) だってスタバイ以来の舞台でいきなり主演だよ? しかも今までのドラマ等から推察したって演技面で期待する事自体間違ってるでしょ? そういう心積もりで向かったグローブ座。
…ほんとすいませんでした!マジごめん!相葉雅紀なめてた!びっくりした! や、そりゃ演技力がどうかと聞かれたらせいぜい中の中程度だとは思うのですが、 それでも始まって早々に「エェェェェェ相葉さんってこんなにできたの!?」と脳天かち割わられた気分。 ドラマの彼からは想像できないパフォーマンスを見せてくれる相葉さんがそこにはいましたよ。 いやぁほんとに驚いた。やればできる子とはまさにこの事。
普段から本能で生きている部分が多いじゃないですか、相葉さんは。 (もちろん色々考えて仕事してるけど一番魅力が発揮されるのは本能レベルによる言動だと私は思う) そんで舞台というナマの現場のお陰でその本能部分がフル稼動してるとでも申しましょうか、 相葉さんの持ちうる能力・魅力すべてが凝縮された舞台でした。 作品に恵まれた部分もあるとは思うけどそれでも凡人が努力したものとは全く違うんだよね。 当たり前の話だけど、この人も才を持って生まれた「選ばれた人」なんだなぁと実感しました。
【小ネタ】 ・声が枯れ始めてる?途中からノドが慣れてきたのか聞きやすくなったけど冒頭は聞き取りづらかった。 ・ビジュアル最高!前後同じような長さで茶髪、という大好物な髪型で超かわゆかった〜。 ・榊原「(高島くんは)ちょっとバカなの♪」客「(爆笑)」←失礼すぎ(笑) ・高島「♪赤ちゃんは泣〜く」腰くねらせて親指かじり。どこにそんなせくしーべいべな赤ちゃんがいるよ…!
「何気ない日常会話の中から」という言葉が本当によく似合う作品で、 特にキャリアウーマンの人と女子大生4人組の言動は思わず頷きたくなるものばかり。 空気読めない奴がいて仕切り屋がいて…といった4人組のグループ構成もリアルなんだこれが。
で、そんな日常すぎる会話だけを追えば「あるあるネタ」のコントを見ているような気分になるんだけど でも本当はすぐ近くで大変な事が起きていて、それに気付かず日常会話を続ける彼らの存在が 余計にリアルだし切ないし悲しかったです。 後半になって大変な事に彼らが気付いてからよりも気付く前の方が物悲しさは上かも。
涙腺が一番やばかったのは収容所へ向かう二郎ちゃんと高島くんがやりとりする場面。 ベタだけどね。一番はっきりと人と人とがお別れする場面なので。
カテコではすっかり相葉さんに戻ってました。でもお辞儀の仕方は高島くん。 2回目に出てきた時にはお得意の顔の横でのピラピラお手振り(両手)…かっわ…! 3回目にはなぜか駅構内のガラス障子(?)を開けて登場(笑) 帰りは舞台上空にある駅のホームとして使われてるセット(透明で筒状になってる)の中でしゃがみこみ、 客席に向かっていぇぃいぇーいと言わんばかりにWピースしてました。あぁもうなにあの可愛い生き物。
開演前は相方共々「パンフどうしよっか」「お金無いからいいや」「いいか」「うん」とか言ってたのに (欲しいと思った時に中古を安く買えばいっかな〜って・笑) 終わった途端「パンフ買う」「うん」「しょうがねーなー(でへでへ)」「ねー(でれでれ)」と豹変。 しょうがねぇのはお前らだよ…! まぁ買ってあげたくなっちゃうぐらい良い出来でしたよ、と。
帰宅後に'97年の初演と'99年の再演の感想を色々探して読み漁ってみましたが、 初演と再演の設定も違うし再演と今回の設定も違うんですね。全部書き直してるんだ。 詳細はわからないけど今回が一番わかりやすくしてあるようで。 だからこそどうしても「今」とリンクさせて見ずにはいられない作品でした。 「茶色の朝」と同系統かも。
知ろうとしない事も知らない振りをする事も、破滅への道におとなしく並んでる事なんだよね。 でもそれはとても楽な事でもあって、この作品で語られているような大きな問題に限らず 今現在自分が直面している問題ですら私は目をつぶって思考を停止して見ないようにしてる。 その先に明るい未来は待っていない事ぐらい百も承知なのにそれでも考えようとしない。 きっと私はあの内まわりの最終電車でうたた寝してるような輩なんだろうな。 そんな事実を突きつけられて、結構、辛かったです。
まずはその辛さから逃げないようにする事から始めよう。 逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ… …ってここでネタに走るから私はダメなんだと思うな!アッハッハ! (すみません、途中から自分の文章のノリに耐え切れませんでした)
やってみなけりゃわからない。 「相葉さんと舞台」という驚異の食べ合わせから学びました。これはほんと。 もうちょっと頑張ろう自分。
|