Dailyみぅこむ
2001年05月01日(火) |
伝えるのと伝わるのと |
伝える、って難しい。 就職活動を始めてからずっと、そして身にしみて感じていることです。 言葉で伝える、文章で伝える、伝える手段はいろいろですが、とりわけ文章でそれを感じています。 私の志望職種の中には編集職もあります。当然、生業にしたいくらいですから文章を書くことには自信があったわけですが、どんどんそれが衰退していっています。このままじゃなくなっちゃいそうです。自分の文章はひとりよがりで、相手に「伝える」配慮が十分になされていないということに、昨年あたりから気付きはじめました。それは文章を書く上で一番大切なことなのにもかかわらず、自分だけが理解できるような難解な表現やまわりくどい表現を多用するようになっていたんです。 責任転嫁をしてもいいのならば(笑)、ひとえに(遠慮してもひとえに、かよ…)大学のせいです。つまりコムズカシイ論文や短い文章でも教授の目に止まるようにするため、ただそのことばかりに目がいってしまっていた結果です。もうひとつ付け加えるならば学識のある読み手に「なめられないように」、一生懸命背伸びしていたとも言えますね。こっちの方が強いかもしれない。 それが就職用の小論文ではまったく必要ない。必要なのは洗練された表現や読み手をうならせるような言い回しではなく、「一生懸命さが伝わる文章」。私は原稿いっぱいに文字を詰め込むタイプだが、それも「読みにくい」からマイナス採点。漢字を使い過ぎるのもマイナス、てわけで、去年の小論文模擬試験で私は自己最悪の評定をもらってしまったわけです。落ち込みましたよ…かなり。今だから笑って話せる話。 以来相手に伝わるかを一番に考えながら文章を書くようになったけれど、いまだに分からない。相手に伝えること、簡単そうなのに、文章の基本なのに、いまだに分からないのです。どこかの編集部の人も「わたしたちは文章を書くのが仕事ではない。伝えることが仕事だ」と言っていました。それを聞くにつけ、やっぱり自分にはできない仕事かもしれない、とさめざめ…。 私の文章が周囲に評価されていた頃(はるか昔…)は、そんなことも考えず、ただ自分の思う通りに文章を書いているだけでした。表現技法なんてよく知らなかったし、語彙数だって圧倒的に少なかった。でもいま思えば、そのほうがずっと素直で、読み手に身近で臨場感のある、「伝わる」文章だったのかもしれません。だから周囲も読んで面白い、と言ってくれたのかもしれないですね。 コムズカシイ文章が悪いということではないと、私は思います。つまり文章もTPOに応じて、ということなんでしょうね。今の私の文章は結婚式でも葬式でもアウトドアでも、いつも甲冑を全身装備で行くようなヤツですかね?「オイオイ」って。
でもDailyに文章を書くのはとても楽しいです。恰好付けずに、一目も気にせず好き放題やってますからー。このコーナーも、文章を書くことがまた楽しくなれるようにと思って始めたものだから、成功です。そしてやっぱり感じるのは文章を書くのが好きということ。 そしてやっぱり、せっかく書いた文章だからお蔵入りさせずにみんなに読んでもらいたい。 だからここまで読んでくれたあなたに、感謝です!
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