Dailyみぅこむ
2001年10月12日(金) |
穿った見方で楽しさ10倍 |
夕方、ふとテレビをつけたら可愛い子犬が映っているのでしばしうっとり眺めていたら、それは「○○殺人事件」系ドラマだった。 どうやら主人公は女性歯科医で、自殺と見せ掛けた殺人事件の解析に携わり、被害者の歯を分析しているらしい。 画面には、ノートパソコンのモニタが映し出された。彼女は神妙な顔つきでマウスを操作している。それを覗き込む鑑識(?)面々。彼女がクリックすると、黒いウィンドウには被害者の顔が出てきた。もう一度クリックすると、頭部の骸骨が表示された。 それは、どう見てもPhotoshopのレイヤーの「表示/非表示」を操作しているだけの動作であったが、彼等の張り詰めた空気に変わりはない。私も神妙なまま成りゆきを見守ることにした。 彼女は次に、慎重に骸骨をドラッグして、被害者の顔に重ねた。さらに彼女は操作して、骸骨の表示を薄くしてゆく。 そして彼女はこの張り詰めた空気を破るように口を開いた。 「・・・この○△□解析ソフトではほぼ合致するわ!」 おいおいおい・・・・・ あんまりである。 だれがどうみたって、『Photoshopで被害者レイヤーを表示、骸骨レイヤーを表示、骸骨レイヤードラッグ、骸骨レイヤーの表示%を下げる』だけの操作だろうよ!それに解析ソフトの操作が手動でどうする。パソコンを使った意味があるのか。だいたいそんな重要な解析をノートパソコンでするな、せめて重みのあるデスクトップでしてくれ。 と、激しい逆手ツッコミが心の中で空しく舞ったのだが、その潔さにかえって感動すら覚える。 取りあえず、この場面では主人公たちが何をしたかったのかが視覚的に分かればよかっただけなのだ。画像が合致する流れをアニメーションにして表示にすればまだそれらしかっただろうとか、いやそれが無理ならせめてPhotoshopのレイヤーパレットが見えないようなカメラワークでモニタを映せばよかったのにとか、そういう嘆きはこの際どうでもよかったのだ。 きっと主役演じる女優さんはスタッフからこう言われたに違いない。 『ええと、ここの目のマークをクリックしてですね、次に上の目のマークをクリックします。それで骸骨を顔の上にひっぱってください。あとはここのスライドバーを左に動かすんです。分かりましたか?』 そして女優さんは慎重に練習したに違いない。 『こうですか?私パソコンて慣れてなくて。ああ、できた!ええと、どこを動かせば薄くなるんですっけ?』 初心者講習会のようなのどかな風景だ・・・・
私は別の意味で楽しませてもらいました。
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