この日記はたしか借りているところのジャンルでは、「音楽」のコーナ ーに入っていることを思い出しました。 が、たいていは食べ物とお風呂とそんなところをまめまめしく綴ってい るような。まあ、日記だから毎日のことを考えるとそんなもんだろうと思 うのです。
実際、音楽について語ろうとすると筆がとまるわ。音楽は語るものでは なくて、やるもの、歌うもの、聴くもので、いえるとすれば好きか嫌いか 興味ないか、それしかないんだもん。それ以外はね音楽ではなくて結局人 間の話になってしまうと思うのですよ。 自分がクリエイターだとしたら話も変わってくるかもしれないけど、 あくまでも現場、生のヒトとしては、結果さえもどうでもよくて、という のは少し嘘で、細部を何度も思い返したりするけど、それでもやっぱり進 行中、ただいま演奏中の自分の声・ノリ、バンドの音・ノリ、聴く人の反 応・ノリ、がすべてといって過言でないです。 はじまって、音が発せられて消えてゆき、次の音・リズムが追いかけて つながって曲がおわる、そして余韻。それがすべてです。 わたしは自分の声に満足できないし、好きでたまらない声と対極にある とさえ思っている。自分が保守的でありアバンギャルドな実験には見向き もしてこなかった。新しいものを、という欲を持ったこともない。快楽主 義で、心地よい慣れ親しんだ場所から知らない人・ジャンルに打ってでる ようなこともしようとも思わなかった。 たぶん今後もそんなことすることもない、知っている人だけが知ってい る歌い手でいることと思いますが、それでも巨きな自信は「好きだ」と思 うことに見かえりをもとめず、もっといいもの、きれいなトコロ、高い恍 惚、に手を伸ばそうとするだろうという確信です。 好きなものに対価をもとめてもしょうがないじゃん。好きでやってんだ からさ。で、みんなもっと生で音楽しようよ、と言いつつ「好きでやって るだけバンド」にわりと厳しいのは、お客さんには対価をもとめる権利が あるからさ。1500円なら1500円。8000円なら8000円の楽しんだ時間、音 楽だけじゃなくて効果やビッグネームでもいいから提供しろ、して欲しい の。矛盾してるかなあ。でも資本主義の申し子だからさ、職人の娘だし。 歌をうたってお金がもらえる、しかも変なスポンサーの意向、やらせは なし!メンバーはみんなうまくて向上心があっていつももっといいものを 考えていて、尊敬している。とても幸せ。だからなまけたところが本番で 出てしまうと恥かしいし反省する。 そう考えて、やっぱりわたしも何かをつくっているんだ、と思いなおし ました。
でもこういうことを口にだしていうと、(酔ったときでやすい・・・) 反省でなく後悔してしまうのでご注意ください。後悔は胃を悪くするもと です。今年はキャベジンさまにお世話をかける朝が減りますように。 年頭のことばでした。
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