紫
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私に「本づくり」を教えてくれた人は、とても厳しい人でした。
途中で辞めちゃったけど、それでもその人から教えてもらったことは今も覚えています。
普段決して残業をしなかったその人は、私が残業をするとひどく怒りました。
「無駄な残業はするな」
夕飯を食べると、「眠くなるから食べるな」
報告を忘れると「一人で本を作っていると思うな」
「自分のミスに対する言い訳をするな」
「まずは自分を疑え」
「あんた、誤植の天才だな」
その他もろもろ。
怖かった。確かに怖かった。当たり前のことを言われるのですが、怖かった。
でも、今になって、その人の言うことがわかります。
すべてが正しかったわけではないけれど、今、よくそのひとの言葉を思い出します。
今もたくさん聞きたいことがあります。
当時、怖くて聞けなかった編集の根拠とか、なぜあの編集方法を私に教えたのか。
私が一人前になる前に辞めたので、もう今はどこにいるかもわからない。
それでも私は、きっとその人のおかげでこうして編集ができているのだと思います。
今日は、編集者としての根拠について考えさせられた1日でした。
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