紫
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母が、バナナを2本、くれました。
「食べ」
少食な私は、三度のごはんをおいしく食べたいために、間食はほとんどしません。
間食、したいなぁ、と思うことは多々ありますが、後で後悔するからです。
でも、母は私にバナナをすすめます。
え? なんで?
「あんた、子どものころ、バナナが食べたくても食べられなかったんやから、食べ!」
そう言って、無理やり2本のバナナを手渡されました。
まだ、幼稚園にも入っていないころ、私は、バナナを1本食べると、必ず湿疹ができていました。
だから、童謡の「さっちゃん」ではないけれど、バナナは半分しか食べられませんでした。
でも、バナナは大好き。
そのせいか、童謡の「さっちゃん」も大好きで、この歌は、きっと私の歌なんだ、と幼心(おさなごころ)に思っていました。
当然ながら、母もそれを覚えていて、でも、きょう、バナナを2本も(!)手渡されました。
思う存分、食べさせてあげたい、といまさらながらに思ったのでしょうか。
そして、私も三つ子の魂。
いいのかな、いいのかな、とちょっとドキドキ、悪いことをしているような気持ちになりながら、1本のバナナを食べました。
もちろん、満腹。
そして、心のなかで唄いました。
♪だけど、おとなになったら、バナナが1本、食べられるんだよ。
よかったね、さっちゃん。
おとなになりすぎている私は、バナナは2本でも大丈夫と、母は思ったのでしょう。
おやすみ。
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