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たまのひとりごと
たま
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2001年05月20日(日)
またたび靴

最近近くの店でベージュのパンプスを買った。
無名のイタリア物で、安い割にしなやかな皮とオリーブ掛ったベージュの色合いも気に入った。
まだ一度も履かないまま、その靴は玄関先に置いてあった。

ある日のこと、帰宅するといつものように「おかおか〜」っと猫が迎えにやってきた。
必ず、横の観葉植物の鉢カバーの籐に頭・あご・身体をスリスリさせて身悶えして喜ぶ。
(だから鉢カバーは大体1年でぼろぼろになる)
それがその日は、植木鉢だけでなくて、何を思ったか、その新しい靴の片方にスリスリ始めたのである。
それも尋常でない身悶えなのである。
頭すりすり、アゴすりすり、肩もこすりつけて、しまいには引っくり返って背中全体で靴にスリスリ。
いったい何事であろうか。
しかもよく見るとよだれまで垂らしているではないか。

こ、これは!!!
まるで「マタタビ酔い」にそっくり。

しばらくデレデレ(靴に)していて、ハッと我にかえると猫は少しだけ毛繕いをして、何事もなかったように居間のほうへすたすたと歩いていった。

靴にマタタビの匂いがしみついているのだろうか。

それ以来。ときどき猫が靴の横でよだれを垂らしている姿を見る。