時々こわくなる夜がある。
生きているものはみんな必ず 死ぬという経験をしなければならない。 そして、 わたしもそのうちのひとり。
わたしは 死ぬ経験をするように 選ばれたもののうちのひとりなのだ。 みんなそうなのだ。
そういうことを感じて こわくなる夜がある。
気持ちのいい朝に目覚めて 今日は洗濯日和だ! とのびをしたり。
お酒とつまみで うめーうめー と舌鼓をうったり。
今日はあの方と 話ができたワ! なんてどきどきしてみたり。
そんなことに気をとられて 必ず死ぬ時がくることを 忘れている。
いや、 忘れているというよりも 考えても仕方のないことなのだ。
そんなのわかっている。
でも ときどき こわくなる夜がある。
今にも なにかこわいものがやってきそうな気がして。
そういう時 大切なだれかが そばにいてほしいと思う。
そうしたら なにがあっても 大丈夫な気がする。 人が人を好きになるのは 究極的には こういうことなのではないか?
蒸し暑くて眠れず 最近はこわくなる夜がおおい。 カビだったらそんなことなかろうに。 今夜もカビ天国ふとんで ねむるとしますか。
おやすみ。
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