職場の人に羽蝶蘭を3株もらった。 これはウチョウランとよむのだ。
その人はとても山が好きで、 わたしはその人の山の話をきくのが好き。 その人と会うといつも わたしの中の山のぼりの血がさわぐ。
羽蝶蘭は山の崖の小さなテラスに 群生しているらしい。
蘭というから大きなものとおもっていたら、 とても小さないかにも山野草的な山野草だった。 そのひかえめな美しさが好き。 三株それぞれ色が違って、 どれも表情と存在感があって、 いまにもこそこそ話をはじめそうだ。
「みてるとねほっとしますよ」
仕事におわれていて キュウキュウしていた時だったので、 なんだかほっとする場所に 連れ戻されたようで、 ありがたかった。
外は激しい雨。 あしたはいい日になりそうだ。
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