山にのぼった。 宇宙がすけてみえる青空。 目がびっくりするくらいの濃い緑。 あるくあるく空気をすって。 たくさん話す。 カラダがよろこんでいる。 ちいさな村の小さな温泉宿。 通り雨と浴衣のおまつり。 一生懸命な獅子舞。 B級なコメントいっぱいの鍾乳洞。 大きな鯉のたくさんいる街。 朝顔もすてたもんじゃない。 車の中の音楽とうたたね。
このまま瓶にとじこめて ずっと味わっていたい時間がある。 そういう時間を いままで一度もつかまえたことはなく。 常においかけっこ。 幸せな時間は その余韻だけをのこして はっきりしたカタチをみせないまま しらないうちに通りすぎてしまう。 いつもそう。
人生ってせつないなあ。
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