朝、家をでる時には まったく想像もしていなかった。 そんな場所に、 夜には行っていることがある。
今日もそれだった。
普通に仕事にでかけて 普通に家に帰って ちょっと遅めの夕食をとるはずだったのだ。
しかし。 ふと気がつくと、 わたしは大阪城ホールで デビッドボウイをみていたのだ。
ああびっくりした。
デビッドボウイのアルバムだって 一枚ももってないクセに。 しかも年度末金無し貧乏で 仕事宿題山積みのクセに。
わたしは なんでなんでこんな 優雅なところにいるのだ。
狐は 動物園と北海道でしか みたことがないけれど。 狐につままれたような気分とは きっとこういう感じをいうのだろう。
そう。 きっかけは昼間。
デビッド・ボウイのライブに いくかいかぬか迷っている人の話をきいたのだ。
その後、 だんだん落ち着かない気持ちになってきて、 頭ぐるぐるデビッドボウイだらけで、 勤務時間が終わったとたんに、 足は城ホールにむいていた。
自分の意志というよりも、 宇宙の指令のようだった。
そして 生デビッドボウイは オトコマエだった。 文字どおり、 声に痺れたぜ。
びりびりぞぞぞだ。
とおくにつれていかれて いろいろなことが頭をよぎって、 宇宙から自分をみてるみたいな 思春期の頃のあおい感覚をおもいだした。
いったいぜんたい わたしは どこにいきたいのだろうな。 どこにいくのだろうな。
さあ あしたは、 卒業式です。
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