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■ イーサン・フローム/イーディス・ウォートン
『イーサン・フローム』/イーディス・ウォートン (著), Edith Wharton (原著), 宮本 陽吉 (翻訳), 貝瀬 知花 (翻訳), 小沢 円 (翻訳) 単行本: 221 p ; サイズ(cm): 19 x 13 出版社: 荒地出版社 ; ISBN: 4752100932 ; (1995/09) 内容(「MARC」データベースより) 「衝突事故」のせいで額に赤い傷を残し、鎖にひかれるように足を引きずって歩く農夫、イーサン・フローム。ニューイングランドを舞台に一人の男の生き方を描く。愛憎の果て生きることの意味を問う。
※画像は原書 『Ethan Frome』
『イーサン・フローム』を読み終えたのだが、なるほど、物語としては考えさせられる話だなあと思うものの、やっぱり日本語が・・・と思う。そういう意味では、非常に残念。
それにしても、やりきれない話だと思う。病気がちの年上の妻に、若く溌剌とした親戚の娘。そこで、何が起こるかは推測できるだろう。若い娘に心を奪われるイーサンの気持ちもわからないではないが、妻の嫉妬も痛いほどわかる。
これがお金持ちの話なら、お金で解決もできないわけではないだろうが、なにしろイーサン・フロームは、病気に祟られててでもいるかのように、両親から妻まで、ずぅーっと病人だらけの生活をしてきており、お金などたまるはずもない。逃げることもできないのだ。
最後に若い娘との心中を図るイーサンだが、それさえも運命に拒否され、死に切れず、死ぬまで3人で暮らす運命となるのだ。しかも、娘も寝たきりで動けなくなるし、イーサンも、一生足を引きずるようになる。これでもかというような運命のむごい仕打ちである。それでも生き続けなければならない人生とは、一体どんな意味があるのだろう?
こういう話って、読んでいるだけでも辛い。でも、こういう不幸で不幸でしょうがない、 <不幸なできごと> を地で行く、救われない人っているんだろうなあと。死んでしまうよりも、生きていることのほうが、数倍辛い人生だ。
2005年11月11日(金)
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