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■ ファンタージエン 秘密の図書館/ラルフ・イーザウ
『ファンタージエン 秘密の図書館』/ラルフ・イーザウ (著), 酒寄 進一 (翻訳) 単行本: 512 p ; サイズ(cm): 23 出版社: ソフトバンククリエイティブ ; ISBN: 4797329831 ; (2005/09/29)
出版社 / 著者からの内容紹介 ファンタジーの金字塔「はてしない物語」(岩波書店刊)の世界(ルビ:ファンタージエン)が再び動き出す。ミヒャエル・エンデの秘蔵っ子であり「ネシャン・サーガ」シリーズでも有名なラルフ・イーザウが紡ぐ、「ファンタージエン」の古くて新しい物語。
著者からのコメント これはちょっとした事件だと思う。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』といえば、すでにファンタジーの古典といえる。その物語の世界観が、エンデの読者だった若い世代の作家に引き継がれ、エンデが発見した「ファンタージエン」という内なる世界が二十一世紀にふたたびよみがえったからだ。
『はてしない物語』へのオマージュともいえるこのシリーズは、すでにドイツのファンタジー作家、ミステリー作家、歴史小説家など六人の作家がかかわり、将来的には世界各地の作家に参加を呼びかける計画らしい。
このシリーズの勘所は「虚無」との戦いだ。二十五年ほど前、「虚無」にむしばまれた「ファンタージエン」を再生させるため少年バスチアンは内なる世界に旅立った。彼はそこから辛くも生還し、大事なものをこの世界に持ち帰った。しかし四半世紀がたった今、ぼくらは心の中にふたたび「虚無」を抱えるようになっていないだろうか。「虚無」の実体は人によってさまざまだろう。もしかしたら二十五年前よりもことは複雑になっているかもしれない。子ども時代に少年バスチアンとファンタージエンで遊んだ若い作家たちが、「ファンタージエン」の呼び声に応えて、二十一世紀の新たな「虚無」に立ち向かうため敢然と立ちあがったと、そういうイメージでこの「ファンタージエン」シリーズを受け止めてほしい。
日本語版第一作である本書『ファンタージエン-秘密の図書館』は、エンデによってファンタジー作家の道を歩みはじめた、『ネシャン・サーガ』などで知られるラルフ・イーザウによって書かれた。主人公は臆病で引っ込み思案なカール・コンラート・コレアンダーという若者。
『はてしない物語』を読んだことのある人ならすぐにピンとくるだろう。そう、十一月の寒い朝、いじめられっ子のバスチアンが逃げこんだ古本屋、物語の中でバスチアンが『はてしない物語』と出会うことになるあの古本屋の主人だ。『秘密の図書館』は、バスチアンの前にファンタージエンを訪れたカールの冒険物語となる。ある年の十一月、カールは古本屋の求人広告を見て、店をたずねる。その古本屋は巨大な図書館に通じていた。名前は「ファンタージエン図書館」。そこでは刻一刻と貴重な書物が消えていた……。
すでにおわかりと思うが、本書は『はてしない物語』の前史という体裁をとっている。中心のテーマは本が消え虚無に侵されていく図書館をいかに救うかということにあるが、同時に『はてしない物語』という本が生まれたいきさつや、バスチアンによって「シカンダ」と名付けられた魔法の剣や、姿を見えなくする「ゲマルの帯」など重要なアイテムの由来などが、イーザウ流の遊び心満点の解釈で語られる。『はてしない物語』を読んでおくと二倍楽しめる物語であり、本書を読んでから『はてしない物語』を読むと、これまた二倍楽しめるという仕掛けになっている。(あとがきから抜粋)
ラルフ・イーザウの『ファンタージエン 秘密の図書館』を読み終える。「ハリポタ4」の映画を観たせいか、どうしても比較してしまい、これは面白くないなあと思ってしまった。とはいえ、映画を観る前から読んでいたのに、全く興味がわかなかったのだから、けして「ハリポタ」のせいではない。
いろんなファンタジーがあるなかで、個人の好みもあるだろうが、私としては、あまり好みのタイプではない。ラルフ・イーザウは、「ミヒャエル・エンデの秘蔵っ子」ということで期待していたのだが、実際は、エンデには遠く及ばないだろう。
まず、ユーモアがない。ここで笑わせるつもりだな、というのはわかるのだが、全然面白くないので笑えないし、それが繰り返されると、どんどん白けていくのだ。エンデの『はてしない物語』の前の物語という着想はいいと思うが、それが逆に荷が重すぎたのでは?という印象だ。会話も退屈だし、全然面白くなかった。期待はずれ。
2005年11月27日(日)
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