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 オリヴィア・ジュールズ―彼女のたくましすぎる想像力/ヘレン・フィールディング

『オリヴィア・ジュールズ―彼女のたくましすぎる想像力』/ヘレン・フィールディング (著), Helen Fielding (原著), 池田 真紀子 (翻訳)
単行本: 457 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: ソニーマガジンズ ; ISBN: 4789725243 ; (2005/04)
出版社 / 著者からの内容紹介
『ブリジット・ジョーンズの日記』ヘレン・フィールディング最新作。世界中が待っていた次なる主人公!オリヴィア・ジュールズ─職業、フリーランスの記者、好きなものはプラダとD&Gとティファニー。きれいに整えられたホテルのベッドもハンサムな男性も大好きだが、硬派なジャーナリストを目指している。オリヴィア流<生きるためのルール>その1はパニックに陥らないこと。しかし、たくましすぎる想像力のせいで、つぎからつぎへと事件に巻き込まれ……。マイアミからアラビアの砂漠まで、オリヴィアの暴走はとまらない!



ヘレン・フィールディングの 『オリヴィア・ジュールズ─彼女のたくましすぎる想像力』 を読書中。例の、一昔前の歌舞伎町のホステス風の表紙のやつだ。

『ブリジット・ジョーンズの日記』は大好きだったので(ブリジットがとてもかわいいから)、表紙はともかく、今回の作品にも期待していたのだが、どうかな、これ?ほんとに想像力がたくましすぎる・・・というか、有り得ない?

まだ途中なのではっきりとは言えないけれど、ニューヨークの同時多発テロを引き合いに出し、マイアミで出会った気になる男が、ウサマ・ビン・ラディンに似ているなんて設定、ちょっとどうなんでしょう?という感じで、胡散臭く思いながら読んでいる。



『ブリジット・ジョーンズの日記』 が大ヒットしたおかげで「BJ系」の本が星の数ほど出たせいか、本家本元のヘレン・フィールディングの「BJ系」の本は、今や特別でも何でもなくなってしまったようだ。

この本は、全体として言えば「BJ系」の話にサスペンスとコメディをプラスして、有り得ないような設定で無理矢理ドタバタにしているといった感じ。「BJ」の時のような、女性のかわいらしさとか、恋愛の切なさとかといったものは全然ない。

主人公のオリヴィア・ジュールズ(フリーのライター)のたくましすぎる想像力のおかげで、国際的テロ組織に関わり、なんとMI6(007ジェームス・ボンドが所属している組織)のスパイにまでなってしまうという荒唐無稽な話。有り得ない!そんなことがもし本当にあったとしたら、イギリスのMI6とは、とんでもなくヘボなスパイ組織だ。

そういえば・・・と思い出したのが、フィールディングが「BJ」の前に出した処女作 『セレブリティを追っかけろ!』 。これも、あれ?という内容だった。結局「BJ」の成功は、下敷きにした『Pride and Prejudice』が優れていたと言うべきか?

ともあれ、これは気楽に読むエンターテインメント。エンターテインメントに徹してます!といった感じの小説。あまり真剣に考えるような類の本ではない。「BJ」のような小説を期待していたわけではないが、個人的には、この主人公オリヴィア・ジュールズは非常に「BJ」的ではあるけれど、ブリジット・ジョーンズほど魅力的ではなかった。

でも、もうそろそろ「BJ」のイメージから脱皮してもいいんじゃないかとも思う。作家にとっては、とても難しいことかもしれないけれど。「BJ」のような作品を書いて欲しいと言われるのかもしれないし。なんだか、読んでいて気の毒にも思えてしまった。

2006年01月12日(木)
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