ずいぶん日記をさぼっていたところ、お叱りをうけた。
……生まれてすいません。
これからはきっとコツコツと、書きたい時だけテキト〜に書きます。
新しく友達が出来ると、これまで何度も話してきたネタも、
また新鮮なみずみずしさでウケがとれて気持ちがいい。
その有名どころ、「鎌倉恥辱対決事件」を今日は紹介します。
あれは6年前の夏。
友達=カネと一緒に、鎌倉の美術館に行ったとき。
カネはサンダルブーツをはいていて、
それを買ったいきさつを楽しそうに話してくれた。
「ヒール5cmのが、1500円でね、
あ〜いいなって思ったんだけど、
ヒール10cmのやつは、1000円だったの!!」
所詮は中学生。
彼女の浅はかな脳味噌は、すぐさま10cmで千円をセレクト。
10cmのヒールを突然買った中学生を、悲劇が陽気に待っていた。
鎌倉駅の階段を下っていたら、
右隣りにいたカネが突如、姿を消した。
びびる私の耳に、彼女の悲鳴が何故か、足元からする!!
「あ、あ、あ、あ、あ、あ〜〜〜!!!!」
ごんごんごんごんごんっ!
おしりを過剰にぶつけながら、ガクガクと階段を落ちてゆくカネ!?
思わず叫んだ。
「待てえええええーーー!!!」
無理。
途中で止まりそうだったので見守ってみたが、無事一番下まで辿りついた。
さらに。
カネはすぐさま立ち上がり、身を案じる私にこう言い放った。
「さっかが悪いんだよ」
お、おちつけっ。
「さっかが悪いんだよーー!!」
彼女は走り出した。
「待て、またこけるぞ!!」
そのまま彼女は先頭車両まで逃亡し、はあはあしながら、こう言った。
「はあ、はあ……さっかが悪いんだよ……はあ、はあ」
何が、カネを、そこまで。
で、はずかしかったね、とか言いつつ、我々は帰途についた。
すると途中、電車がとても古い駅にとまる。
私はその田舎っぽさにひかれ、電車の中から少し頭を出してホームを見わたした。
なんかいいなあ……。
「ドアが閉まります、ご注意下さい」
ぶしゅうーー。
ごっ。
こめかみにドアがあたった。
ドアが衝突したのではない。
ドアに、どつかれたのである。
私は命の大切さをかみしめた。
その次の瞬間!!
ふりかえるとカネが爆笑している?!
そんなにおもしろかったとも思えないのに。
合戦の火蓋はきって落とされた。
「人前で落ちたほうが恥ずかしい!
しかもあんな長い距離一気にずごごごごって!!」
「ドアにどつかれるほうが恥ずかしい!
もう理由なんていらないくらいばかばかしい!!」
結局ほかの友人にジャッジをゆだねることになり、いざ月曜日。
満場一致。
「さっかのほうがはずかしい」
「なぜ!」
「ヒールのほうはありえるけど、
電車のドアにこめかみは……ありえない!」
「ありえた!」
「それが恥ずかしい!」
「上告!」
「棄却!」
裁判は10分休みの間にあっさりと終わってしまった。
不本意だ。
不本意だぜ!!
でも
この話をつい最近、友達に話したら、こんな返事が返ってきた。
「でも私、原宿で混んでる電車にかけ乗ってさあ、
バソ
って、おしりはさまれたよ」
開くドア。
黙って乗る友達。
閉じなおすドア。
私はすごく、地球を愛したくなった。