小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
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2001年07月15日(日)
建物探訪マー坊元気予報

うちの風呂の扉はスライド式になっている。
開くと戸の真ん中の蝶番のとこで曲がって、
ぱたんとたたまれる。
閉じるときは真ん中の蝶番のとこがのびて、
一枚になって広がる。

こないだ風呂から出て、
その扉を閉めようとして、
取っ手を持って、ぎゃっと横に引いた。
がこん。
扉はたたまれた状態のまま、
開きもせず、
はずれた。
ごとんごととん。
向こう側に倒れた。
すごごとごとん。
バスタブにあたった。
ずがことごごん。
すべってきた。
どしゃ。
私の足に当たって止まった。

今、この足が我が家を守り抜く最前線である。
これをはずしたら、
ドアはスキー板のようにこっちがわに滑ってくる。
そしてやっぱり私が痛い。
そこへおかんが、音をききつけてやってきた。
「あー、もうねえ、やったなあ! って思ったんよ」
そしておかんは居間に戻ろうとした。
おいまて衛生兵。
せめてこの、勇敢に戦った素足を助けてから去れ。

ドアをのけると、
左足に見た目の派手なあざと、切り傷ができて、
血が痛そうににじみ出していた。
当然だ。
しかしあれですよね、こういう怪我って、
わりと勲章じゃないですか。
なんで敬語ですか?
しかもあれですよ、見た目派手な怪我って、
実はそんなに痛くないんですよね。
しかしまあ、見た目ひどい怪我なんで、
おかんもびびってたさ。
「うわぁー痛そうやなあ、かわいそうに〜」
「私、風呂の戸、閉めただけやねんで?!」
「まったくやなぁ、かわいそうに〜」
そう言うとおかんは慌てて居間に戻り、
テレビの続きを見はじめた。

まああのー、私がちょっとやそっとの怪我じゃ動じないので、
(周りのひとからすると、かなりやばい怪我らしいんだけど)
おかんも当然ぜんぜん動じないんだよ。
それはわかるんだよ。
ただ、まさか、
家屋に裏切られる日が来るとは思ってもみなかったよ。

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 noted by さっか