小学5年生、給食の時間。
余談だがこの頃さっかさんはとてつもなく少食だった。
とにかく小学5年生、給食の時間のことだ。
おぼんの上に、ポテッ、と豆が落ちたが、
おぼんの上だったので箸でつまんでぱくっと食べた。
その瞬間、むこうの班の、もりさわくんと目があった。
とはいったって私はただ、
こぼした豆を残さず食べただけですよ?
むこうの班で、もりさわくんは目をそらした。
それから数週間後。
やはり、給食の時間のことだ。
何気なくごはんを食べていたところ、
むこうの班の、もりさわくんがご飯をこぼした。
何気なく見ていると、もりさわくんはそれを、
箸でつまんでぱくっと食べた。
その瞬間、またしてもうっかり目があった。
すると彼は即座に、
女子に人気の二枚目フェイスでうんっ、とうなずき、
そのままもぐもぐごはんを食べ続けた。
彼の意味不明な力強いメッセージは、
今でも心に深く残っている。