小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
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2002年02月24日(日)
日々の糧

兄貴が実家に帰ってきた。
兄貴は私のトンカツを食っていた。
殺意のめばえ……。

しかし私には鶏肉というおかずがあった。
わーい。ごろごろジュージュー。ぱくぱく。
その時のことだ。
兄貴の箸が、わが国の領空を侵犯した。
そしてわが国の物資が、大量に強奪された。
=鶏肉とられた。
殺意の肥大……。

しかし、鶏肉の2つほどはもともと、
おかんが兄貴のぶんとして用意したものだったらしい。
確かに一人前にしては、ちょっと多かった。
そこで私は、マザー・テレサのような寛大な心で彼を許した。
しかし、こやつに鶏肉をみっつもよっつも食わす、
ということになれば、
マザー・テレサだってベールかなぐり捨てて、
 サマーソルト→水面蹴り→カイザーナックル→消える魔球 って感じ?

「食うな!!」

叫んだ。


私は皿の中で一番ちいさい鶏肉をさして、
堂々とした態度で敵に立ち向かった。

「これならやる。あとはだめだ」

兄貴はじっと皿を見ていた。
そしてやがて、おもむろにこう言った。

「じゃあね、このもらった鶏肉をね、
 このトマトと交換しよう。
 それでこのトマトとね、
 そっちの鶏肉と交換しよう」

 ……………?

ていうかこいつ、でかい鶏肉食いたいだけ……。

3秒経って、さっかはやっと全容を把握。(おせぇ
いつもどおり、とてもおしとやかに兄さんに語りかけた。

「うるせえ!!
 もう二度と、そんな意味不明な条件には騙されねー!!
 黙って小さいのを食え!!」

「なに言ってんの!」
兄貴は突如、目前で十字をきった。
「与えよ!! されば救われん!!」


うちの兄貴はよく、私が持っているもので「いいなあ」と思うものを、
ちょうだいちょうだいと言って強奪していく人物である。
私は、今度ばかりはなんとしても、この鶏肉を守りたかった。(いつも
8年前ポテトチップスを奪われた。
5年前ゲームボーイポケットを奪われた。
殺意、臨界。(いつも

「ゲームボーイを返したら食わせてやる!!
 ていうか新しいのを買ってよこせ。アドバンス買ってこい!!」

「なにいってんの! 与えよ!!」

「うるせえ!! 与えよ!!」

「与えよ!!」

「与えよ!!」

「与えよ!! 与えよ!!」

「与えよ!! 与えよ!!」

こいつら食卓でうるせえ。

兄貴は小さい鶏肉を食べて、黙って食卓を去った。


キリスト教徒の方、ほんとうにごめんなサイコ☆ぱわぁ

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 noted by さっか