小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
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2003年08月12日(火)
宵闇焦がれて

以前担当していた家庭教師先に、夏の間だけまた通うことになった。
私の後任にあたる先生がイギリスへ短期留学に行ってしまうらしく、
(どこかで聞いたような話…)
その間の数週間を私が埋め合わせるわけだ。


しかしなにしろ、茅ヶ崎在住時代に担当していた子のこと、家が遠い。
片道700円てナニサマよ。
まぁ、交通費は全額支給されるから、それは別によいとしても。
湘南の人達は、川崎とは民族が違った。びっくりした。
肩や足を出していない女がいない。
茶髪率高すぎ。
みんな全身焼けすぎ。
みんな海っぽすぎ。


初回の授業では、近所で祭りがあったらしく、
海っぽいひとたちが鵠沼海岸(田舎の駅)で列をなしていて焦った。
小田急江ノ島線の、住宅地の真中にポツンとたたずむ小さな駅だ。
そこに列。列が出来てるだけですごい。すごいよ、列だよ。
二回目の授業では、鎌倉で花火大会があったらしく、
海っぽいひとたちが皆、浴衣でウヨウヨしていて焦った。
みんな浴衣。タイムスリップしたくらい浴衣。
しかもみんな着こなしが悪い。シワだらけでグチャグチャ。
そして茶髪率が高くて、
みんな全身焼けてて、
みんな海っぽくて、
浴衣着てない人は肩や足を出していて、
湘南は遠くて、片道700円で。


思えば遠くまできたもんだ。


でもなんか、こういう地域で育った記憶があるなぁ…。かすかに…。


帰り道、ティッシュ配りの兄さんの前を、
数人の外人集団が通るところを見た。
まず、差し出されたティッシュに驚いた金髪女が、笑顔になった。
「ありがとう!」
すると他の連中も兄さんに接近し、僕にもひとつ!と指を立てた。
間抜け面でティッシュを渡す兄さん。
無駄に激しく驚く外人たち。
貰ったティッシュを嬉しそうに握り締めながら、みんなで兄さんに感謝。
「ありがとう! ありがとう! ばいばい!」


べつに慈善事業じゃない…ってことは理解されてるんだろうか。




帰宅すると、一週間ぶりに大阪から戻ったばかりのおかんが居た。
家なので、年甲斐もなくホットパンツみたいのを履いてた。
肌はこんがりと黒く、髪は茶色。肩も出てた。
「ただいま……。……うわぁ、湘南や……湘南の人やでそれは…」
「は?」
大阪から戻ったばかりの川崎市民・おかんは、ポカーンとしていた。





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 noted by さっか