小馬鹿なさっかの処刑人日記
GET TO HEAVEN.
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2005年11月23日(水)
べつに

 今日は、何があったというわけでもなく、とりわけ大ポカをやらかしたわけでも、とりわけ強く叱られたというわけでもないのだが、なんとなく一日全体的になんとも上手くまわったという気がせず、どのみち立派な仕事など出来ないのだからせめて挨拶等は明るくはきはき、などと心がけていた挨拶等もあまりはきはきさせられず、誰にも望まれない残業をしてしまった後、帰り道をとぼとぼ、歩き歩き、「嗚呼頭が良くなりたいなあ」などと心の中で考えていた。そういう日は誰にでも時折あるもので、そういう人に出会った時の扱い方も、大抵の人はこれまでの経験上充分に心得ているものだが、今日はむしろまわりの人がなんだか適当にそっとしておいてくれるということから、やっと自分がいつもよりどんよりしているのだということに気がつくというような始末だった。別段格別に暗い様子だったということはなかったと思うのだが、覇気がないというかある一定のところ以上の反応をわざわざ返す元気がない、といった様子でいたのだろう、そしてこのなんとはなしの気迫のなさは、やがて能率の低下という形ではっきりと眼前にあらわれてきた。夕方を過ぎ、夜と言ってよい時間になったころ、今日の能率の悪さたるや歴然、といった事実がただただ浮かび上がって私を悩ませた。その理由がにわかには見つからないことからも、私はますます覇気をなくしていた。大して嬉しくもない連絡やら何やらがあり、それに受けて応えてあれやこれやとしているうちに、いよいよこれはもうどう前向きに考えても残念と言える、というほどの時間になってしまい、ああ、どうにもならないのかなあこの状況は、この状況を知らず知らずに生み出してしまったらしいこの自分も、どうにもならないのだろうか、と憂鬱に思った。うつむいた姿勢と疲労とからくる意識の無くなるような眠気にとらわれながら、黙りこくって動きも少なく駅までの道を歩き、電車の中では時折、眠りながら手すりに頭をこつこつとぶつけた。ぶつけては目覚め、目覚めてしまったなあと残念に思い、また眠りにおち、また目覚め、また残念に思った。毎日は一定の何か似通ったものの連続であるような気はするが、こうした日が繰り返されるようなことだけは避けられるものならば絶対に避けたいものだ。

以上

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 noted by さっか