ニッキ ゆり 【HOME

My追加

2002年07月05日(金)

今日はいい日だ。
そう言い切れる日はめったにない。
今日という日をこんなに大切に思えたのは
とても久しぶりで、ココロの余裕が生まれてきている証拠。

外は湿気でべたつくけれど
ココロの中はカラっとして気持ちがいい。
ワタシはいたって普通。そして、面白いほど単純だった。


朝、布団の中でウダウダ。
いつも金曜日は2限からだけど、今日は1限から。
「休んじゃおうかなぁ」「あぁーでもなぁー単位ないし」
ひとりでぶつぶついいながら、朝の支度をした。
林檎を聴いて、元気をつけながら、暑い朝の道のりを歩く。
たった10分歩いただけなのに、汗をかいていて肌がべたべた。
「あぁーやっぱり休めばよかったかも」なんて思いながら
教室の一番後ろの席に座って、カバンを枕にして「同じ夜」を聴いていた。

いつも前の席に座るあの人が
今日はワタシのふたつ前の席に座ってきた。
一度は前に座っていたのに。
「あ。話し掛けよう」と思ってヘッドフォンを取ったけど
気恥ずかしい、バカみたいにそんな気分になって
うつ伏せになってダラダラしていた。

近づいて見たいあの人の後姿は
思っていたよりも大きくて、肩幅が広くて
少し汗をかいていた。

友達と話している時に見える斜めの顔の表情が
とっても楽しそうで、元気をもらった。


暇な3限に手紙を書いた。
くだらない内容。夏ばて気味でさぁーとか、そんなこと。
渡す相手は決まっていた。あの人に。

あんまり話した事のない人に手紙を書いて
一体どうしようというのか。ワタシにもよくわからない。
ただ、ワタシは今ここにいるんだよって
そしてこんな事を考えていますって伝えたかった。
知ってもらいたかった。

「手紙、渡したいんだけどもらってくれる?」と
「いや」と言えない様なメールを一方的に送り
返事が来なくて「あぁやっぱだめか」と思っていた。

あたりまえじゃーん、ともうひとりのワタシが言う。

放課後、あの人が隣りの友達に「先に行ってて」と言うのが聞こえた。
ワタシは渡したい手紙を手に、チャンスをうかがっていた。
廊下にでたあの人を追って出て見たけれど
なんでか、渡せない。
こういう時に限って勇気のないワタシが嫌になった。

教室のドアの所でボケッとして、半分諦めていたら
トントンと肩を叩かれた。
振り向くとあの人がいた。

「くだらない内容なんだけど、手紙。」
「ありがとう、後で読むね」

たったこれだけの会話。
ドキドキしたのはなんで?


恋なのでしょうか。
恋になってしまったのでしょうか。

ワタシは恋人も大好きです。
ずっと一緒にいたいと思っています。
だけど、ココロの隅にあの人がいる事を
今日、確実に気付いてしまいました。

恋人に知られたくない秘密を作ってしまった。
でも、そんなワタシを許してあげたい。
自分勝手だけど。



枯れた葉っぱ。今も生きている葉っぱ。
生きてる証拠に、もぎ取った先から白い液体が出てきた。
「これが生きてるって事なの。触っていると気持ちがいいでしょう?」
確かに。柔らかくてスベスベしていた。ぎゅっと握ってもくしゃくしゃにならない。

「私に話せたのはあなたの力。
私はあなたの話を全身で聞いたわ。
でもね、話せたのはあなたの力」

「あなたにはそういう力が残っているのよ。
これからもっと増えていくわ。
それをね、『自信』って言うのよ。」

カウンセラーの先生はそう言ってワタシに元気をくれた。


葉っぱをもぎ取るとき
「ごめんね。これでひとり助かるの」と木に向かって言ってた。




BACK NEXT 初日から日付順 最新 目次