ニッキ ゆり 【HOME】
- 2003年01月10日(金)
こっそりとメール。
返信はない。
友達はそんなものなんだけど
ちょっぴり寂しかった。
そうだ、絵本を読もう。
今日は3回も読んだ。同じ絵本。お気に入りの絵本。
2回目、読み終わったあと散歩がしたくなった。
カーディガンとダッフルコートを着て
ぐるぐるぐるぐる。
同じ所を歩き回った。
狭い空間でも見つけられるものは多かった。
煙草も携帯も持たないで1時間ぐらい、ずっと外に居た。
外の空気は冷たい。
空の色も曖昧。
だけど、気分は良かった。
外から戻ってダッフルコートとカーディガンを脱いで
ベッドに横になった。
寝返りを2回。
欠伸を1回。
気が付いたら眠っていた。
電源を入れた携帯。
しばらくすると、非通知の着信があった。
非通知拒否をしているから、不在着信だけが残る。
10分おきにかかってきている。
暇人だなぁー。ほっといた。
ウィーンウィーンウィーン
バイブが鳴った。
体がだるかったから、出ないつもりでいた。
そのうち諦めて切れるだろう。
ウィーンウィーンウィーン…
「もしかして」
ワタシは携帯を開いてみた。
大好きな人からだった。
胸の奥がギュっと締め付けられるのがわかった。
そのまま携帯を閉じて、鳴り止むのを待った。
留守電になると、電話はすぐに切れた。
一緒に行った海。
寒いけどエンジンを切って海の音を聴いた。
車の中で話したこと。
もらったコトバ。
あげたコトバ。
安心出来た暖かい首もとの体温。
ブレスが似合う大きな腕。
決して猫背にならない背中。
抱きしめあうといつも「ちいせぇな」と言ったこと。
一気に押し寄せてきた感情に耐えられなかった。
ベッドの中で丸くなって膝を抱えた。
優しい声が頭の中に聞こえてきた。
でも、上手く思い出せない声。
さっきの電話に出て、「もしもし?」と聞いただけで
ワタシは前に進めなくなってしまう。
前に進みたい。
後ろは振り返りたくない。今は。
何を思って、何を伝えたくて電話をしてきたのか、解らないけど
今でも、これから先も電話には出ない。
優しいコトバをかけられたら
傷つけるコトバしか返せないから。
今日、2度目の大好きな人からの電話。
いっそのこと、拒否をしてしまった方が楽なのだろう。
でも、それが出来ない。
まだそこまで気持ちの整理は完全じゃなくて
もう少し時間がかかりそうなんだ。
声を聞きたいんだけど
聞いたら駄目なんだ。