【復活!】ダイエットなDIARY
DiaryINDEXpastwill


2004年01月27日(火) 冒険

♪びっるの まっちに  ガオー!!








-----------------------


いやあ、『鉄人28号』はすごいです。



昨日の話はニューギニアの人食い人種がでてきた。


日本からの探検隊が、その付近で行方不明になり、それを捜索に行く警察署長と正太郎君と博士と村雨(この人はなんか特務機関員のようです)。






そのニューギニアへ行って見ると、一行は昼飯として豚を捕獲する。


なんと、彼らは捜索に来たくせに、食料は現地調達する気らしい。




だが、勝手に豚を取ったことで、槍を持った原住民たちに取り囲まれてしまうのである。


「対話をするんだ!!」



といって、署長が何かを話し出す。


すると、人食い人種たちはかえって身構え、威嚇を始める。



正太郎「署長!一体何を話したんですか?」



署長「いや。デタラメにしゃべってみたが、どうやらだめなようぢゃ」







・・・・このあたり、突っ込む気力もなくなる、と思われるだろうが、まだまだTVも牧歌的な時代なのである。




----------------------



さらに、中から酋長が歩み出てくる。





酋長「お前たちは日本人だな?」




流暢な日本語である。






博士「どうして日本語を?!」




酋長「昔、戦争があって、日本軍がここに上陸した。それで覚えた」




博士「うーん。それは都合がいい






おいおいおい(笑)。



--------------------------



今日は今日で、探検隊を救出した正太郎たち一行は飛行機で帰途に着く、その時、謎の戦闘機編隊に攻撃され、パラシュートで脱出する。


着地したところはなんだか牧場のようなところで、カンガルーがいるからきっとオーストラリアあたりなのだろう。



大量の羊を追い立てるカウボーイのような男が登場する。



この辺りには他に村も人家もない、という。


正太郎「一体、どうしてですか?」



カウボーイ「蛮族が攻めてくるからだよ!」




やがて、その蛮族が攻めてくる。



馬に乗った集団で、「アパパパー」とかいっている。



その姿はあきらかにインディアンである。





銃撃戦の果て、蛮族たちをダイナマイトで撃滅する一行。






・・・・つう形で話は進んでいく。






----------------------




放送コードに引っかかるのか、セリフの中の言葉がところどころ消されている。



しかし、どうもその消し方がヘンなのである。


たとえば前回では、探検隊が行方不明になったことを告げるニュースではアナウンサーのセリフの中で、おそらく地名や国名が入っている箇所が無音になっている。



だが、番組の最初に予告編というか、前回のあらすじと今回のお話を紹介するシーンがかならずあり、そこでは「ニューギニア」と、はっきり言ってしまっているのである。


また、一行が原住民に化けて秘密基地へ乗り込むというシーンもある。


裸になって、身体を黒く塗り、草をかぶる、っつう、いかにもな変装なのであるが、うまくもぐりこみ、探検隊を見つけて声をかける。



「みなさん!安心してください!ボクたちは○○ではありません!日本人です!」






・・・この「○○」にはおそらく「土人」とかが入るのであろうが、そんなところを無音にしている割には、前編を通じて「人食い人種」とか平気で言っている。



博士でさえ、「ヤツら」とか言っちゃうんである。



そして今回も「蛮族」などといっているし、その姿も、インディアンであり、しかも舞台はオーストラリアである。




------------------------




オレは、この種の言葉狩りには、むしろ反対なのであるが、興味深いのは、この作品にはまだ戦争の記憶が明確に影を落としている点である。



その記憶とは、南方戦線で、ジャングルの中で飢えていた日本兵や、同化教育などである。



実際、人肉食は日本兵もしていたというのが、あまり語られることはない事実である。




ヒトの肉だと言わずに、原住民をクロブタ、日本人や白人とシロブタといっていた。




内乱で物資や流通が枯渇したアフリカのシエラレオネなどでも人肉食はあったという。




つい数年前、90年代の話である。



------------------------


さらにいえば、戦前の日本で大いにはやった「南方冒険小説」の伝統がこの作品には刻まれている。


ジャングルに住んでいるのは野蛮で劣った土人たちである。





このタイプの物語の発生は欧米の植民地主義である。



ヤツらはキリスト教も文明も知らない劣った野蛮人だから、オレたちが行って、神へ導き、教育を施してやる。


もちろん反対するものは皆殺しである。



また危険に満ちたジャングルを探検するのは男のロマンなのである。





---------------------



開国し、遅れて近代化を進めた日本も、植民地する側に回った。

(もっとも、これは奇跡的なことで、アジアで植民地化をまぬがれた国は日本とタイしかない。)






言説などというとこ難しい学術用語であるが、植民地主義をささえる他者イメージは、こうした文学やエンターテインメントにまで深く根を張っているのである。



そんな視点からも、『鉄人』は楽しめる。




---------------------------



いみじくも今日はオーストラリアから研究者が職場へ訪問し、懇談を持つ機会があった。


人権運動などの活動もしている人である。





オーストラリアは、アボリジニや難民に対する差別という問題を抱えており、特に最近はイスラム系の難民たちに対する反感が強いらしい。



日本のメディアもそうであるか、イスラム教徒はみなテロリストであるかのようなイメージが一般に広まっているらしい。






---------------------


試験は終わった。



あとは採点のみである。








明日は久しぶりに生田へ行く。



とに |MAIL【ブログ版】ネット書店

My追加