【復活!】ダイエットなDIARY
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2004年02月17日(火) 不倫


うーん、昨日から体調が悪かったので、寝ていた。



で、特に書けることもないので、最近読んだ書籍から面白そうなことを。






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世に、おしどり夫婦などというように、鳥は一夫一婦制の、人間でいえば結婚のような関係を結ぶ。


これを「つがい関係」という。


オスメスの2羽で、仲良く、一生懸命、雛鳥のためにエサを運び、外敵や自然環境に対して必死に巣を守る姿は、うるわしい純愛の世界であると一般には思われているし、2、30年前までの生物学・動物学でもそう理解されていた。




しかし、どうやらこれが違うらしい。



彼らの世界には「不倫」があるそうだ。


不倫というのは人間に分かりやすいレトリックであり、正確には「つがい外交尾」という。


ここにオスAとオスBがいたとする。


つがい関係を結ぶ鳥では、オスは餌をとってきたり、巣を守ったりという子供にとって保護的な行動を行う。

もしもオスBが自分のパートナー以外のメスと交尾し、うまくこのメスに自分の子供を生ませることに成功したとしよう。

そうすると、自分の子供でないことを知らずにオスAはオスBの子供を一生懸命に保護し、育てる。

つまりオスBはオスAの労力をうまく搾取でき、自分の遺伝子をもった子供をより多く残すことができるのである。




さて、メスの場合を考えてみよう。

メスは自分の子供の男親がオスAであってもオスBであっても、自分の遺伝子がのこることには変わりはない。


それゆえメスにとってこの「不倫」は別の進化的意味を持っている。


より強く、より広い縄張りを持ち、それゆえよりエサを多く確保できるであろうオスとつがい外交尾をするのである。

また、このつがい外交尾が、本来のパートナーであるオスにばれると、オスはこのメスを攻撃したりもし、パートナーの解消、つまりは離婚にまで発展する。


それゆえ、メスの不倫は、よりよいパートナーと新たなつがい関係(再婚)を結ぶための準備段階であるともいえる。


調査したところによると、実際に生まれた卵のうち30%から50%までが、不倫相手の遺伝子を持っていたという。


さらに、より強いことは身体の左右対称性を意味している、という。

これは身体的な優性さを意味すると同時に美しさをも意味する。


だからメスの不倫行動は、常により強く美しく社会的地位の高いオスに乗り換えるチャンスを求めている行動であると理解できる。


これが遺伝子を残すための進化的な適応戦略なのである。



これはおそらくヒト(人間)にも当てはまる戦略であるという。



鳥とヒトでは種が違うと思われるが、これを進化的収斂という。


どういうことかといえば、イカも魚もイルカもサメもみな流線型をしている。


水中で水の抵抗をうまく逃がすには流線型の体という適応戦略が最も都合よく、それゆえ、違う種でも同じような解決策へと収斂するということである。


だから、二つの個体以上の関わる社会的行動を行い、つがい行動をとる生物の進化的な適応戦略は同じ解決策をとるという。




まあ、これらは、最近読んだ、ジョン・オルコック『社会生物学の勝利―批判者たちはどこで誤ったか』(新曜社、2004年)からの受け売りであるが、社会生物学は一度は葬り去られた学問かと思っていたが、実は着実にその成果が認められつつある学問であるらしい。



オレの研究も社会学の一分野に属しているので、関連書籍や論文を一通りあたってみる必要がある。


つうことで、今日は家で、寝たり読んだり、いろいろと文献を当たったりしていた。






いや、不倫を勧めているわけではない(笑)。




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