2003年08月28日(木) |
ディアッカ考察 その1 |
2週間放置されている間になんだかディアッカが大好きになってしまいました。明後日の放送で落とされないうちにちょっと今までで黒沢的に認識したディアッカ像をお伝えしたく思います。 本当はね、SEEDコンテンツ作って置いた方がいいのは分かってるんだけど、この日記は将来私が読み返して「ああこの頃はこんなのにハマってこんなこと考えてなあ…」と懐古するためのものでもあるのでこっちに置いと来ます。あ、更新記録に書いたのはイレギュラーですよ。普通の感想なんかは更新には含みませんから!
■投降 あの場での投降はそれなりに英断だったと思うのですが。実際の戦場では投降だって一つの手段のはずですからね。今まで描かれていなかったから、あそこで提示するのは良かったと思う。 大体あの場で自爆したってAAにもスカグラにもダメージ与えられなかったし、投降するしかなかったんじゃないだろうか。バスターは元々地球軍のもので機密漏洩もなにもないし、OSにしたってコーディ用でナチュラルには関係ないし(そもそもキラいるし)、トップガンと言えども所詮は前線の一戦士、彼が知っているザフトの情報がそう重要度の高いものではないと言うことは連合軍側も知っている気がします(ラウという最高レベルの情報源がいたわけだし)。彼の評議員の息子という立場からすればちゃんとした捕虜交換などで本国に戻れる概算が高かったんじゃないでしょうか。それに、やっぱりニコルの死を見て「死んだら終わりだ」って思ったんだと思います。 ニコルを死なせた艦のクルーの顔拝んでやろうと言う気もあったでしょう。廊下で喧嘩売った辺りなんて「軍人のくせに覚悟もないなら大人しく引っ込んでろよこの馬鹿ナチュラル女」くらいは絶対思ってただろうし。
■ミリアリア 最初の頃こそ「おいおいおいおいいきなりトーミリ無視すんなよ!」とスタッフの恋愛観におののいたものですが、今となっては何かもうディアッカが好キャラ過ぎてもういいや、みたいな雰囲気がそこはかとなく漂っている気がします。 うーん恋愛感情かと言うとやっぱり悩むんですよね。オンエア見た直後だとやっぱり「惚れてるな!」って思うんですけど、それからいろいろ考えると断定出来なくなっちゃうと言うか。趣と感情のベクトルがかなり違いますが、イザークがストライクに対してみせた執着と同レベルかなあともちょっと思ったり。 これから先一回は恋愛感情に転ぶと思います。でもその後結局ダメになっちゃう気がするの。二人の相性自体は結構良かろうと思うんだけど(て言うか二人とも苦手なタイプってそうそういない性格だしな)、どんなに取り繕ったところで『吊り橋の上の恋』でしかないと思う。戦場から離れたらもうダメなんじゃないだろうか(この辺りイザークとストライクに重なりますねえ)。ミリィからしたらトールの代わり。
「俺じゃない」発言、結構叩かれてましたけど、凄く大きなことだったんだろうと思います。所詮偶然と言われようが、トールを直接手にかけたのはディアッカではないと言う事実。それがミリィにとってもディアッカにとっても逃げ場になってるんじゃないだろうか。だからディアッカはミリィに近付けるし、ミリィは頑なに拒否しなくてもいい。そう思える。 アスランをして「トールってヤツ殺したの、アイツ…」っていうのも確かめたかったんだと思います。ミリィが本当に恋人の仇を殺さないのかどうか。自分の場合は実際に殺してないわけだから別として、実際に手をかけた人間に対してもミリアリアは銃口を逸らすことが出来るのか知りたかった。結果として彼女はアスランを許容したわけで(許すことは一生出来ないかもしれないけど)、それがディアッカにとっては決定打だったんでしょう。彼女を守りたいと思い、彼女の側にいたいと思った。それが自分にとって正しいことだって思えた。それで今に至るんじゃないかなあ。
■ザフト もともとアスランやイザークに比べれば戦うことにプライドとかなかったような気がします。『赤』を許されていることだって誇りと言うよりも自分の能力に対する正当な評価だくらいにしか思っていなかったように思われ。アカデミー時代もそう真剣にやってなかったような気がしますね。全教科同じ点数とってみたりとかしてそう。それでいて手を抜いてるって思われないように立ち振る舞うことくらい朝飯前だったでしょう。 そもそも軍人になった理由からしてあんまり確固としたものじゃなかったんじゃないかとすら思える。血のバレンタインでナチュラルへの嫌悪感が最高潮に達していたとは言え、自ら「ザフトのために!」とか言い出すタイプじゃないと思うんですよねえ。だから、鷹派の要人であるパトリック・ザラやエザリア・ジュールの子息が軍に志願するっていう事が分かって、同じく鷹派の議員の息子であるディアッカ自身も志願せざるを得なくなった、とかいう政治的背景があった方が頷けます。将来政治家とか目指してそうだし(向いてると思うし)、キャリアアップのつもりもあったかもしれない。彼が忠誠を誓ったのはあくまで『プラント』であって『ザフト』じゃなかったんじゃないだろうか。もちろん戦場を駆け抜けている間は「ザフトのために!」って思ってたと思うけど(でないと戦えなかったろうし)、ふと立ち止まってみると同じことは言えなかったんじゃないかなあと。 この辺りイザークとの温度差が凄そうですね。悟られるようなことはなかっただろうけども。(所詮手のひらだったよな、イザーク…)
■子供から大人への過渡期 コーディ的に成人してる割には本気で『子供』しかいなかったザラ隊ですが、唯一ディアッカだけは『子供から大人への過渡期』にいたような気がします。これは30話前から感じていたことだけど(もちろんその後顕著になったわけですが)。イザークの扱い上手かったしね。 30話で海から上がって来てニコルの死を知った時、「ストライク!」と叫ぶイザークに対して彼の台詞は「アスラン!」。その後「今は退け」とかも言っちゃうし、ロッカールームでの態度は言うに及ばずですね。もちろん初見の時は「あれ、こんなキャラだったっけコイツ…」くらいは思いましたが(あんまりマジメに見てなかったし)、今思えばこんなキャラだったんでしょう。やれるけどやらない。他に出来るやつ(ニコル)がいるんだからオレがやらなくてもいい。とか思ってたんじゃないかな。 ウズミ氏の話の中でザラパパが出て来た時(40話かな?)俯くアスランを気にするように伺ったのは、実はキラよりもディアッカの方が先なんですよね。その後のアスランやイザークの対峙シーンではディアッカの方が明らかに格が上だと思わされましたし。一方でミリアリアに対してはダメダメで(笑)この辺りは子供らしくて好感が持てる。 元々ディアッカファンだった人はこの辺りどう思ってるんだろうと思ってディアイザサイトとか見て回ったんですが(ディアミリはあくまで30話以降の話ですからね。30話前からその後のディアッカを考察することは出来ても、30話後からその前のディアッカを考察するのってちょっと違う気がした)、「さすがに違うだろこれは!」というのが多くてあまり参考にならず。やっぱりカップリングに傾倒した考察が多かったんですよねー…。そういうワケで結局自力で考察するしか無くなったわけですが。
彼は『不整合なもの』や『いびつなもの』を好む性質なんでしょう。(多少無理矢理でも)ニコルも含め、ザラ隊はみんな『完璧なもの』や『綺麗なもの』だけを欲していたような気がします。まあ、別の言い方をすれば『子供』だったわけですが。アスランやイザークなんてかなり顕著ですよね。 完璧でないものの方が好きだったからイザークと一緒にいるのが好きだったし、それでいてニコルやアスランのことも気に入っていたんだと思います。ただあの中ではイザークが一番ディアッカの好きな感じにいびつだったから彼に合わせていた。イザークのいないところでは結構ニコルともアスランともコミュニケーションがあったんじゃないかなあ。ニコルに関しては結構可愛がってたような気すらします。 イザークなんてガンガンに子供だから『完璧』であるクルーゼ隊長に傾倒しているわけですが(視聴者からしたら「目を覚ませ貴様!」だが)、ディアッカは『完璧』を好まない上に人を信じない『大人』な部分も持っているからクルーゼを信じ切ることはなかった。「こいつを信じてもいつか裏切られる」くらいは思っていたでしょう。だからってそこで誰に忠告するわけでもないのは単に性格だと思います。(この辺り微かに初期設定『狡猾』の名残りか?/笑) 世の中には完璧なものや綺麗なものよりも不整合でいびつなものの方が圧倒的に多い。それを許容できるって言うのは本人の器量に直結して、人生を生きやすくします。『子供』より『大人』に属する特質ですよね。実は、ディアッカは誰よりも柔軟で物事を受け入れることの出来る性格だっていうことになります。現在の馴染みっぷりをみると自明ですがね!(笑)
もう一方で、イザークの『不整合さ』はディアッカの理解を一歩も出ることはなかったけど、ミリアリアの『不整合さ』っていうのは理解の範疇外から始まっているわけで。当然ミリアリアに対しての方が興味をそそられるでしょう。イザークの居た場所にがっちりミリアリアが上書きされておまけに容量まで増強されちゃった。結果、イザークはかやの外の押し出されたわけです。この辺りの残酷さはチョウの羽をちぎる子供と同じですね。まあその『不整合さ』エリア外の『仲間』とか『友達』のエリアにも一応イザークはいるわけで、今はそっちの方でディアッカの意識下に参入しているものと思われます。
次回は、イザークが実はアスランよりもディアッカに傾倒していたと言う新事実が明らかになった44・45話を受けて「ディアッカとイザーク」をテーマにお送りしたいと思います。ディアイザディア好きさんには厳しめかと思われますので御注意。 黒沢はSEEDにおいてはカップリングに傾倒した感想(ましてや男同士)は抱いていません。
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