NO TITLE...望

 

 

最後の街 - 2000年11月25日(土)

今日は仕事であの人と最後に会った街に来ました.
朝,少し早く着いたから,あの人と別の友達を待っていた場所で少しの間座っていました.

あの人が座っていた椅子には誰も座ってなくて,私はその椅子に,あの人が座っていた風景を思い浮かべていました.

私はあの人の手が好きでした.
指の長い,きれいな手.男の人の手をきれいだと思ったのは初めてでした.
そのきれいな手で,あなたは椅子に座って電話をかけていました.
携帯のバッテリーが切れてしまって,私の携帯でかけていたけれど.

不思議だね.こんなにはっきりと思い出せるのに,椅子も,周りの風景も,全然変わらないのに,変わっているのは,あなたがいないことと,私の気持ち.

声を聞いたり,会ったりしたら,また前のように戻っちゃうのでしょうか?

あれだけ,毎日のようにあった電話も,メールも,もう10日以上ない.あなたのアドレスも,名前も,携帯の履歴にもメールにもない.
声も,聞いていない.

私のことを,考えてくれている時間はありますか?
まだ,完全に吹っ切ったわけではない.
吹っ切れてはいない.

私が以前期待したあなたの言葉も,もう今は過去のもので,
それが果たして本心だったのかさえ疑いたくなる.

好きなのに,私はきっとあなたを信じきれていなかった.
好きだから,あなたを信じきれなかったんだろうか.




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