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出会うことの意味 - 2001年07月16日(月)

人と、出会うということ、それ自体に何らかの意味がある。
そういう言葉にであったのは、いつのことでしょうか。
それが本当だとすれば、今日、私の元生徒と会ったのも、それは「偶然」ではなくて、「必然」だったのかもしれません。

帰りの電車の中で、疲れて眠っている私の足に、ポン、ポン、と誰かがかばんらしいものをぶつける。
目を開けると、私が座っている斜め前に日に焼けた高校生が笑っていた。

彼は、いつも、どこでも、私を見かけると「せーんせい」と声をかけてくる。
私と目が合うと、いたずらっぽく笑って「先生疲れてんなあ」(笑)。
彼は高校が楽しくて仕方ないのだという。
クラブでは陸上をしていて、今度熊本であるインターハイに出場することが決まったのだそうだ。走ることが苦手な私にとっては、もうすごいとしか言いようがない。

実は、私は彼はひょっとしたら高校を中退するかもしれないと思っていた。
けれど、彼はそこでちゃんと自分の居場所を見つけた。
自分で、打ち込めるものを、「楽しい」と思えることを、彼は自分で見つけた。「勉強は嫌いやねんけど、学校は楽しい」のだそうだ。
大学にも、行くつもりだという。どこかに行けるとは思うけれど、まだ自分が行きたい大学はないんだと、学校の先生は「勉強しろ」ばかりいうのだと、楽しそうに、一通り自分のことを話している。

「学生のうちに、思いきり遊んどき。そのうち、いやでも働かなあかんねんから」
私が、彼に言えるのは、もう今はこれくらい。
あれほど、怒ったのに、クラスで一番、手を焼いたのに、それでも彼は私を見かけると話かけてきてくれる。

彼を見ていると、あんなふうに笑えた自分がいたのだろうかと思う。
私も、あんなふうに笑っていたのだろうか。

今日、彼に出会った意味を、私は考えなければならないのかもしれない。













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