飛行機の中で前の座席に座っている人と目があった。 私は風邪気味で鼻を抑えながら、じっとしていたのだが、その人はだんだん近寄ってくる。 ニコニコ笑い、同行者の方々も対処に困ってきているようだった。
しばらくすると、身を乗り出し、座席の合間から私に向かって手を差し伸べてきた。 どうしても私を触りたいらしい。 が、手が届かない。 じれったくなったのか今度は体ごと乗り出してきたが、座席の間に頭が挟まって動けない。 仕方がないので数分手を握った。
しばらくすると別の座席にいる若い女性に興味を持ったようだ。
キミはあと15年もすれば立派なナンパ師だ。 おかげで退屈なフライトが楽しかった。
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