車を降り、少しだけ家の前を歩く。夜空の雲は晴れ、細い細い月が頭の上で笑う。満天の星。息を飲んで見つめた。落ちてきそうな星空。冷えた肩を抱いて家に入る。「星がきれいだったよ」「そうか、見て来る」そう。私はいつもあなたの背中を見ていた。夜空を仰ぎ、星を見る背中を見て育った。星を見る姿を見て。思い出した。