+女 MEIKI 息+
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他人の心臓のアリカだったら知っています。
それはこの鷲掴みした乳房の下でしょう。
高い鉄塔から見下ろしている烏さえも知っていること。
でも、あたしの体ではどうなってるの。
ドクターも挙って研究したくなるほどの
きっと、どこをとっても心臓ばかり。
いたるところが汽笛を鳴らし
軋む音が聞こえています。
まるで当たり前のように
あんたさえも
そんなふうな男のひとりだったのね。
明るい狂気に支えられて
演じてることに酔っている。
随分可愛くなったものね。
自分の所在が知れないって顔までして
愛しく傷を舐め、まるで全てが傷ついたように
ほら、逃げなさい。
全て置き去りにして
もっと早く もっと遠くに。
そうよ、流れはこうでなくっちゃ。
二つの心 二つの想い
でも、忙しいのよ 身体はひとつ。
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