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2001年06月17日(日) ポン中

 小さなダンボール箱にぎっしりと詰まったビワが届いた。

 スーパーで売っているものしか食べたことの無いあたしを哀れんで、庭の木が今年も沢山実が成ったからと恋人のお母さんが送ってくれた。形こそ小ぶりだが、とても美味しい。

 食べるのはもちろん嬉しいのだけれど、変なことに気がづいた。
 ビワの皮を剥くのが楽しくて仕方が無いのだ。
 今すぐに食べなくとも、後で冷えたビワも美味しいはずだと、勝手に理由をつけてTVの前に陣取って皮剥きに勤しんだ。
 今、両手の人差し指と親指の爪は、渋で茶色に変色している。鳳仙花を潰して爪に色を付けるのであれば、どことなく情緒も溢れ愛らしささえ感じるが、この茶色の爪は渋である。

 チマチマとした作業が、なんだか好きだから仕方無い。
 ここで終わり!と、決めておかなければキリが無い。今、冷蔵庫に皮を剥かれて冷えたビワは風呂上りに食べるとして、明日の朝の分と昼の分などと考えて、もしかすると今夜一晩、気が済むまで(剥くビワが無くなるまで)剥いてしまうかも知れない。
 そのことを恋人に話しをしたら「おまえ、ポン中じゃねーの?」って、そりゃあんまりにも適切よ。止めさせたいなら、ちょっと剥かせて。


香月七虹 |HomePage